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翠輪堂-日記-

文月あずさ@JADERINGSもしくはAzusa-Fの趣味的日常記録/不定期更新

年の瀬だというのに飛び込んだ一つの悲劇を前に、ふと思い出した事がありまして。
さきに言っておきますが、今回の日記は、論拠を一切持たない私という一個人が感じ考えた、ただの憶測です。
それもかなり悪意寄りの。
とてもツイに投げられるような話ではないのでこちらに書いただけです。
なので、ツイでは返答しません。コメントがあるならこちらでお願いします。PC管理&承認制だから反応できるの松の内明けだけど。

それと、一緒にどす黒くなるのが嫌な人はリターン推奨。
話し半分で「ま、昔の事だし。生きてりゃそういうこともあるよね。アヴェビール飲む?」って流せる人向けです。

それでも書かずに居られなくなって、苦手なスマホ打ちで無理やり書いた、それだけのものと思ってください。







*  *  *  *  *




ゼノギを始めて半年、その心踊る群像劇と深く静かに絡み合った過去の物語・思想・哲学へのリスペクトにすっかり取り込まれてしまった私は、同じようにゼノギに心踊らされた仲間が、インターネットという新しい世界の海の向こうに居ることを知る。
とはいえ、学生なりたてのぺーぺーで、自分では携帯電話の契約状況一つすら出来ない身。下宿にインターネット環境を敷けたのは、そこからさらに先のこと。
手に入れたのは、PCと繋げばモデムや回線無しにネットに繋がれるという触れ込みのPHSで。ネット接続だって1分単位の従量課金だったけど、回線の空いた早朝に貧弱なマシンパワーで開ける限りのブラウザを立ち上げ、ゲーム語りの掲示板を1分以内に開きまくり回線切断、オフライン状態で読みふけるという日々が私に訪れることとなる。

そんな中、出会った一つの考察掲示板があった。
半年ROMってろとかそんな格言は知らなかった。ただただ無謀に飛び込んで、多様な解釈の渦に自分の思った物語を語った。いくつもの色をした物語がそこにはあった。それを全部飲み込んでしまう冥く赤いXに、ひたすら溺れ、酔いしれた。

新天地を求めて飛び立つ創り手達の、道行きに幸多かれと願ったのも、そこだった。
新しく降り注いだ蒼く輝くXの物語に、かつてと赤を囲んだ時と同じように、皆と心踊らせていた。


ただ、それはいつだったろう。
最初の物語の時だっただろうか。
それとも、世界が転変し、皆の気持ちが揺らいだ、二つ目の物語の時だっただろうか。

「こんなのは違う!」そう語る人が掲示板に現れた。
──現れたのか、それとも前から居た人だったのか。
実のところ新参者の私は知らなかった。知るすべもなかった。
コテハン必須とはいえ、出入りの多い掲示板だったから。

その人は、次の物語への期待を見いだそうとする人たちに「それでいいのか」と問いかけた。
「それで満足していいのか」と。
「私たちが好きだったのはこんなものでいいのか」と。

好きゆえに、想いが強いがゆえに、それだけ言葉が苛烈なのかと思った。
その人の解釈をも尊重したくて、素直に頭を下げた。

でも。
その人が現れてから、掲示板の議論が繋がらなくなった。
それまでは誰かの解釈に旋律を重ねるかのように新たな論を重ねる人が現れ、気がつけば作品を読み合う多重奏が生まれていたのに。
でもどの議論にもその人が現れ、強引に休符を差し挟んでしまう。
そんな雰囲気になって、気がついたら、素敵な解釈を彩ってくれていた人たちが一人減り、また一人減り…。
複数のゲーム掲示板を抱える管理人さんは多忙で、あまりこちらには参加出来てなかったのもあって。

私自身も、ほどなくその掲示板からは遠ざかるようになってしまった。

幸い、私は即売会という場で語り合える幾多の友達も得たし、オフ会に参加してしまう位の居心地の良い考察掲示板と巡り会えた事もあって、あの掲示板の喪失はそれほど深い傷にはならなかったのだけれども。


何年かして私は、一つの言葉《ネットスラング》と出会う。

【GK】。

ふと胸騒ぎがして、あの掲示板に駆けつけてみたのだけれども、そこは既に消えていた。
トップページも含め、そこに人が集っていた痕跡は跡形もなく消え去っていたのだ。


オフラインに落として読みふけったページは、読んだらすぐに消去してしまっていた。保存するだけのHDD容量は当時持ち合わせてなかった。
だから、私には、この憶測を証明し、もしくは否定をする手段を持たない。

『おわるデイ・バイ・デイ』で示唆されるような、真実を覆い隠す為だけに働くbot、あれのように振る舞うものを造り上げるのは今の技術では不可能でもなんでもないだろう。技術は日進月歩だから。
ただ、あの当時、技術はまだその域に達してなかった。
だから、有り得るとしたら、それは、人の手によるものだ。
 もし あれが そうだったら 。
あのスラングは、そんな陰を私の中に落とした。確実に。


──本当は、自分のネット幼年期の暗く悪意に満ちた解釈の一つとして、墓場まで持って行くべきだったのかもしれない。
ただ、その傷を疼かせるようなものにふと出会ってしまって、書き表さずにはいられなくなってしまった。

ただの、個人の、陰に捕らわれた憶測でしかないものだけれど。
オーラルヒストリーとか、そんな綺麗な言い方で説明できるようなものじゃない。

書ける場所を持った、書かずにはいられない、業深いもの。
ただそれだけだ。


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