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ゼプツェンはいい。ヴァンツァーもいい。【ホビースフィア展示紹介】
スクウェア・エニックス様より #ストラクチャーアーツ が #ホビースフィア に出展#月刊ホビージャパン に掲載された作例のフォトグラメトリ が #VRChat に登場‼️
ジオラマの中に入れちゃうかも⁉️
ホビースフィアは2/22(木)18:00にオープン pic.twitter.com/gj7fDnAm2N
— ホビージャパンVR部 (@HobbyJAPAN_VR) February 20, 2024
でもせっかくやるなら、むしろでかでかチュチュを置くべき。
あと、ヴァンツァーは吉田戦車社のも展示お願いします。
(蛙パンチ猫パンチ最強すぎてガンダムファイトし続けてたよ>2)PR -
ゼノギアスの建国記念日は日本の祝日でもあるので、立場と環境の問題で当日巡回は絶望のラムズですが、ようやく見られました。
当日なら見られたものも多かったんだろうなあ(下手するとインプレ低いの間引きされてへん?)とは思うけど、それでも少しでも後追い出来るありがたさよ。BGMには当然サントラ流しっぱなし。
ただな、鳥。いいね押すとフリーズしてホワイトアウトするのだけなんとかしたもれ。
「押したいけど押したら他の見られない…!」の葛藤が辛い。
(無料利用且つ個人情報提供最低限ユーザ故かなとも思うが、だとしたら諦めるしかないねえ)
あと、表示画面=今見てる画面だから、読んでる途中でいきなり別のツイ割り込ませて読んでたツイをぶっとばすのやめて(懇願)。美麗イラストがあああ素敵萌え語りがあああああ~!
自分が大好きで大好きで魂を鷲掴みされた作品を、祝ぐ誰かの笑顔が画面越しにかいま見えるだけで、自分の抱えている事情の絶望感とか、諦めかけてた気持ちが吹き飛ぶ。
あああ元気出るなあ、嬉しいなあっていう気持ちが沸いてくる。
自分が自由に動けなくて、誰かの好きに触れることが全然出来てなくて、だからこそ陥っていた黒雲が、さあっと晴れてくる心持ちすらする。
好きな事に関わる時間が爆減りしてて、表現する自由も修練する余裕も削られまくってて辛かったから、気持ちも落ち込んでたんだなあと自覚的になったりもする。
うん。
ゼノギアスに対するロイスはまだある。めちゃくちゃある。まだまだ好きだ。
(即日再入学書類カキカキφ(..))
じゃあなんだ。あの卒業してしまうかもって気持ち…と思って、ふと気がついた。
今のスクエニに対する感情が、とんでもなくネガティブになってるだけだ。
作品そのものじゃ、ない。
だって、公式が平気でこういうことするの、物語を大事にしてないって、今めちゃくちゃ憤ってるもん。
何度も言うけど、私にとってゼノは、ゼノギアスは【物語】だから。
その静止画、どこから持ってきたの。話の筋からしてあり得ないよね。
97-98年当時のサイトの仮絵かな? でも実際の物発売してるんだから本物に差し替えればいいのに。
ネタバレ避けにしても、もっと使えるシーンあるんじゃない?
スクショや台詞見たらそこがどこで前後シーンほぼ語れる四半世紀拗らせなめんなよ。
(さすがにサブタイは全網羅自信ないゴメン)
戦闘画面も、普通に進めてたらほぼあり得ないシチュエーションばかりじゃない?
ステータスはさておき、寄り道して再現しようと思えば出来なくもないかもしれんが(あああ検証したいぃぃぃぃい!他はともかくアヴェ兵のそれ、そのパーティじゃその場所入れるか自信ないぃぃいい!)
IPは思い出されてこそ、反復されてこそ、とも思うけど、好きすぎるから、逆にこういう扱いは辛い。
いつか、まだ出会ってない人に物語に触れる機会を作ってもらえたとしても、あの時自分が出逢った物語を歪ませられるんじゃないかって不安になる。
(実際にそういう場面も目の当たりにしてるからなお一層に)
だったらいじらないで。あの時のままの姿で遺して。
いっそのこと大事に作ってきた人たちの元に返して。
最近出逢った人や今楽しんでいる人、昔から楽しんでいる人たちを否定する意図はないし、むしろ作品や新規グッズで盛り上がってる様は見てるだけでホント頬が緩むんだけど、その人たちの笑顔を裏切らないで欲しい。
今はもう、若い人たちの盛り上がりをニコニコ縁側で見てるだけのおばあちゃんモードなのだけれども、あの楽しさは自分も体感してて本物だって知っている以上、もし踏みにじられたら…という想像に怯えるよ。
それはそうと、そんなもん公式が出してるって教えてくれたWatchImpressさんありがとう。書き直し後の公式サイト行ってなかったから気づかなかったわ。
でも【ドデスカチュチュポリンの知識 10Lv】のネタバレはお控ぇなすって。 -
相変わらずの事前投稿です。
なんか事象変異が起こったりして、でもこの日記が残っていたら、それは事故です(永劫回帰どーん!)って事で一つよろ。
休日にブログやらツイやら書けなくなって久しいので……スマヌ。
子供のアン卒(アンパンマン卒業)やプリ卒(プリキュア卒業)じゃないですが、もう子供っぽいーとか嫌いーとかになって離れたのではなく「もう自分はそんなに執着しないかな」となったコンテンツはいくつかある。
例えば6あたりのDQとか。FFだったら9以降。
好きだったものをディスるような離れ方をする人はぼちぼち見てきたけど、自分としては少なくとも一度面白いと思って追いかけてきたお話に砂掛けるほどの事はなくて。
だから卒業。
テレビで取り上げていて、ちょうど時間が合えば見たりもするけれど、多分配信系は告知見かけてもわざわざ時間取らないかなとか、その程度の、ゆるい「好き」になる感じ。
睡眠時間削ってまで時間を費やさない、そんな軽さになったもの。
そういう意味だとゼノは、もう四半世紀もずっと留年してて、ずっと自分の心の中で離さないくらいの執着がまだまだ続いているんだけれど、最近ふと気がついた。
ゼノギアスに関しては、じわりじわりと「卒業」が近づいている感がある。
描きたい二次創作はまだいくらでも沸いてくるし、ゼノコンで熾火付けられたからピアノも改めて弾きたいんだけど、何を差し置いても関わりたいか、というと、そこまでの執着や情熱はゆるゆると消えていっている気がする。
それは、新しい物語を出す気配も能力もないのに次から次へと高額グッズばかり出して、切り捨てた過去をしらばっくれ続けているスクエニのやり口に食傷気味だからかもしれない。
光田さんや田中さんや石垣さんが関わっているのだけが救いであるとはいえ、自分がゼノギアスに惹かれたのは、彼らや当時のスクウェアで揉まれて生まれ出ていた多大なる才能が渾然一体となった【ゲーム】というあの形だから。総合芸術としての【ゲーム】だったから。
それゆえにグッズだけ出されてもなー、という事で、結局2000年代以降に出たものはゼノコンBD以外はほとんど手を出せていない。ゼノコンそのものも家族の事情があって結局申し込む事すら叶わなかったし。グッズが出ても飾る場所も自由もないし、自分に何かあった時に家族に処理任せるにはフィギュアとかプラモとかはかなり大変だと思ってるから迂闊に手を出せない。
セイレーンはムイムイ文書の事を知った後でガンプラ好き旦那に見せたら「かっけえええ!」と勝手に買ってきたのでぶっちゃけタナボタ。所有者は旦那という気楽さもあり。そういう意味だとフィギュアだけを家に入れるのはちょっと無理だな~(amiiboはこっそり買う)
フィギュアヘッズとかFFBEとかシアトリズムとかあったじゃん、とも言われそうだけど、やっぱり私の中ではゼノは【物語】なのよ。物語が伴わなくて、ただキャラがお祭り的に出ているだけなのは、やっぱりなんか違う。
忘れられてないのは嬉しいなあと思いつつも、所詮は期間限定イベでしかないやん!とか、2008年の10周年の時は何もしてなかったの忘れてないからな!?なところもあったりする。(OperationRainfallが無かったらこういう事態になってないよね?とも思うし)→参照:ぼくらは「ゼノブレイド」が遊びたいんだ! 海外のJRPGファンが「オペレーション・レインフォール」を開始|ねとらぼ|2011年06月29日 09時42分|池谷勇人,ITmedia
それとは別に、ゼノって今はモノリスソフトの力であの当時描けなかった物語の果てを少しずつ見せてもらえているから、それで自分がほどよく満たされているのかもしれない。
そういう意味だと卒業というより昇華なのかもね。
次があるから縋らなくても良くなった。
『ダブルクロス』でいうところの、もうタイタスになってる状態なのかも。
前に↑このツイした時「あれ?ゼノは続いているんじゃ?」って引用リプもらったけど、『ゼノギアス』も『ゼノサーガ』も『ゼノブレイド』も、全部ゼノではあるけれど、それぞれが違う命を持った子だという意識がなんとなくある。#絶望的だが続編を待ち望んでるゲーム
高橋さんの編んだ世界観で
光田さんの奏でる音楽を風に抱いて
田中さんの描いたキャラクター達が
石垣さんの描いたメカを駆り
(もしくは石垣さんデザインの敵メカをなぎ倒し)
旧スクウェア三課の多くの方々が描いた大地を駆け抜ける
ゼノギアス pic.twitter.com/1qyAz2WFEg
— Azusa-F (@jaderings) September 4, 2019
作る環境に翻弄されながら、磨き上げられてきた別々の形。
それぞれの、生まれ出た時期の価値観をその身に宿した、あの時代にしか出せなかった作品。
その魂の輝きは同じ。でも、纏う物語は色とりどりの、もの。
つながっているようで、つながっていなくて、つながっていなくても良くって。
だから、別の、別々の物語として、ちゃんと読んであげたい気持ちが強い。
過去の作品に縛られず、外《Xeno》に飛び続ける物語を。
もしかしたらかつて描きたくて描き切れなかったものはこれだったのかも、なんて、新しいものの中にその残滓は見つけることがあるけれども、でも基本は、先の事など囚われずその時その時の全身全霊が形になったものだと思っている。
過去の物語に囚われすぎるのは受け手側の傲慢なのかもしれない、そんな恐怖に駆られることもある。
だからこそ。
もう一度ゲームを通しでやれる自由があったなら。
物語にのめり込める時を得られたならば。
自分はもう一度ゼノギアスに執着することになるのだろうか?
そしたら。
その時にまた【入学】すればいいよね、って、思ってる。
とはいえ、Switch ベタ移植来るよ言われたところで、クロノクロスのように配信だけで売られても、DLはマルチゲー優先・ソロゲーや家庭内で推してる人間が一人だけの場合はパッケ買いが原則の我が家じゃ遊べないしねー。
ニサンバグがそのまま残ってるの見て「あーマジにベタ移植なんだ」ってニヨニヨする機会を捨てるのは惜しいんだが。参照:Xenogears_バグ|うぐぺ
それよりも。
PSが動くうちに、またやりたい。やれる人生になりたい。
取り貯めたセーブデータも半分飛んじゃってるから、せめて若絡みイベ前は取り戻したい。
* * *
とても25周年合わせのおめ投稿ぽくないですが、ここ数年、自分の事がやれなさすぎて、いろいろ絶望しかかってるせいだと思います。
元気出したいなー。それにはゲームしたいなーなーなー。
(ハタラキカタカイカクで中学生が毎日13時に帰宅する世界線に住んでいる身には贅沢すぎる望みです。ええ、わかってるんよ)
あ、でも、過去絵はいくつか発掘しているから、ツイ向けに加工出来たらUPするくらいはやるよ~。
ちょっと元気出します。うん。 -
8月10日はバルトの日!というわけで、2020年の時にUPしたSSなんですが、気がついたらこちらのブログには載せてなかったわ、と気付いたので再掲。#8月10日はバルトの日
その昔、ゼノのワンドロに初めて出逢って感激のあまり勢いで参加しようとしたのだけど、カプ禁だったの気づかず書いてしまいお蔵入りになっていた若マルです。マルー視点で若をカッコよくしたかった話。 pic.twitter.com/mLKCJX3Jse
— Azusa-F (@jaderings) August 9, 2020
新書版メーカーたーのしー!てなって以降、作品ハピバ合わせで作ったSSは、こちらのブログに予約投稿してツイには別途新書版メーカーで成形してから出来るタイミングで投稿して、というスタイルだったのですが、その原則が出来ていない時期のUPだったので。
それはそうとして今年のバルトの日は何も作れなかったので、せめてもの賑やかしに。
やっぱり何かしたいのよう。
ちなみに下の前書き御託は一番最初に投稿しようとした2014年7月12日当時のままです。
消そうかとも思ったけど、自分記録だから残しておきます。
@yokutoさんが立ち上げてくれたWEB企画ゼノギアス深夜の60分一本勝負に投稿しようとして、ダメやカプ話やこれー、とボツったのがコレ。
(主催さんの意向でカプ要素は抜く、というのがありまして。でも勢いで書いてしまって、後で参加要項改めて見直したら、お題から外れてたよアワワワごめんなさいな状況に)
人と人とが交わり合うのが主題(だと私が勝手に思い込んでる)のゼノギアスにおいて、SSでカプ抜く話というのはきっついわー、と思いつつ、でもだからこそ挑み甲斐がある!と妙に燃えてしまいまして、次の朝に結局遅刻参加はしたんですが、でも、最初の勢いも大事にしたい気もするので、自分ヒストリーとして残しておきます。
うわー、ゼノギで書くの何年ぶりだよーていうか時系列いつだよこれーそんなあやふや状態ですが、イキオイの産物なのでご寛恕いただければ……。
(脳内年表パラパラ、多分矛盾しない大丈夫……なハズ)
しかし、ホントに楽しかった~!
機会をいただけて、本当に嬉しかったです! -
ええ?もう20周年から2年経ったんですか? 早すぎません?
年を取ると時間の進みが早くてのう…ヨボヨボ
まぁゼノギが出た後の私の人生における濃密な2年間に比べたら、正直シュミ充薄味な2年だからなぁ。現状仕方ない事とはいえ。
でも、ツイでゼノ描きさん達やゼノ好きさん達がオフ会してたり、今度サンクリ内でモノリスト開催されたりとか、腐女子沼片足突っ込んだまま抜けられないご隠居としては、若い人達の楽しんでいる姿に、気持ちも軽やか・若返る気分を日々もらっている次第であります。
それが関係してるかどうかはさておいて。
ゼノコンBDが決まった時、嬉しさのあまり勢いでエバノにがしがし書いたお話がありまして。
ささやかですがお祝いにぺたりんこ。
ていうか、途中まで書いて、細かい部分詰め損ねていて、しばらく書き直す余裕がないままBDの発売日を迎えまして。で、実際のBD見たら、舞台のライティングの様子とか全然違っていて「ぎにゃー」となり(笑)。ニコ生越しの記憶が嬉しさのあまりウェルス化 していたようです。
なので最初の勢いからは大幅いじりましたが、とりあえずまとめあげました。俺様満足。自己満足。
この手の二次苦手な人は、いつも通り商品画像貼っておきますのでリターン推奨です。
…在庫アリなのになんで商品画像がないんですかー楽天さん~(T_T)
えーいリバディスクでせめてもゼノギ気分を!
「先生~明日のカメラ借りに来たんだけど~」
山の上にたたずむ一軒家。麓のラハン村の住民が頼りとする医師、シタンが家族と住む家だ。そこに、フェイはひょこりと姿を現した。
翌日に控えた二人の親友の結婚式、そこで使うカメラは彼から借りる事になっている。病気や怪我の類いの知識はもちろんのこと、機械の扱いに長けた風変わりな医者を、村の皆は日頃から頼りにしていた。
「あれ~? いないのかなあ。往診かなぁ…」
呼んでも反応がないのはよくあること。勝手知ったるといった風情でフェイは裏のガラクタ部屋へと足を伸ばす。……ガラクタ部屋などとシタン本人の前で言ったらきつくたしなめられるであろうが、何に使うかわからないような機械がごろごろ転がっている部屋は、誰が見たってガラクタ部屋としか呼べないだろう。
「先生~いないのかーい」
床に散らばった工具の箱を避けつつ、フェイは辺りをきょろきょろと見回す。その目が、作業机の上に置かれた洗面器ほどの大きさの黒い本のような物体に吸い寄せられた。
「……鏡?」
大きさはやや大きい書物といった風情か。薄く細かい傷があるものの、よく磨き上げられた板が直立している。黒くすべすべの表面は、最初見た時鏡かとも思ったが、わずかに顔が映るのみで、これで化粧をしたりひげを剃ったりしてもよく見えないだろう。
その土台の部分には丸い彫りのある板が蝶番で繋がっており、上の板を倒せば本のように折りたためそうだ。脇から伸びる紐状のものは、布とはまた違った質感のもので、どこかガラクタの山の中に突っ込まれている。どこに繋がっているのか全く想像がつかなかった。
土台の手前の方には四角いボタンがいくつもあり、三角を二つ重ねた記号やら四角やらの記号が整然と並んでいる。そのひときわ大きい三角のボタンの手前側で、オレンジ色の優しそうな光が小さく浮かんでいる。
「なんだろ、これ……」
思わずフェイは手を伸ばす。少し表面をなでるだけのつもりだった。が、ボタンはそのわずかな力だけでもカチリと沈み込み、光の色が薄い緑色に変化する。同時にジジ……ガガ……とこすれるような音。直立した黒い板に走るノイズ。
「わ、やばっ……」
泡食って手を離すも、どうしたらよいかわからない。無駄にバタつくフェイの目の前で、黒い板の――液晶画面の上に、一筋の赤い光が差し込んだ。
ず……ん
腹の底に響くような音の後、むせび泣くように流れる弦楽の音。静かに、もの悲しく、滔々と響き渡る。
「え? あ? ええ?」
不安定に踊る旋律。か細く、でも確かな響きが、目の前の機械から発せられる。
画面は光が差す時もあれば、砂嵐を交えて見えなくなったりと安定しない。だが、合間合間で人々が――奏者が――楽器を手に、もの悲しく冥く不安をかき立てるような音を紡ぎ上げる。
ぞくりと、背筋を走る感覚。
フェイは息を飲んだ。目が、耳が、離せない。
静かにうねる海のような響きが、転瞬、荒々しく舞い上がる。嵐が、音が、フェイの五感を鷲掴みにする。
――「おまえさんの行く手には黒く冷たい風が吹き荒れておるぞ」
昼間、村で戯れに掛けられた言葉が脳裏をよぎる。冗談だと呵々大笑して言われたそれが、まるで旋律となって襲いかかってきたかのよう。
――これは……。
荒々しく吹き荒れた音の波は、大きな破滅の音を響かせた後、深く地の底を這うような男声の響きに代わった。寄り添うかのように静かな女声が唱和する。白くけぶる画面。ゆらゆらとゆらめき、夜の帷へと沈んでいってしまうかに思えた重奏は、しかし、昇りゆく払暁の光のような風琴に誘われ、ただ気配だけを残して静かに消え去っていった。
──この感覚、どこかで……。
「おや、動かしちゃいましたか」
背後から声がした。びくりとして振り返ると、そこにシタンの姿があった。彼は僅かに嘆息する。
「ここの物を勝手にいじっては駄目だといつも言っているでしょう?」
「ごめんよ先生。ちょっと気になっちゃって、つい……」
機械は次の曲を奏で出したようだ。柔らかで規則正しい旋律をなぞるかのように、縦笛の深い音色が静かに歌い上げる。
「これ、いったいなんだい?」
「それがわからないんですよねぇ。この中に青くてすべすべした円盤が入っていて、それが回って音や動く写真が出るらしいというのはわかったんですが……」
シタンの節くれだった指が、土台の円を静かになでた。
「音は何とかなりそうですが、絵は安定しませんね。どうやったら直せるかな」
「ああ、待ってよ先生」
四角のボタンを押そうとするシタンを、フェイは慌てて止めた。
「もう少し、聴かせてくれよ。……なんだかとても懐かしい気がするんだ」
シタンはきょとんとフェイを見たが、それも一瞬のこと、いつものように柔和な笑顔を浮かべて首肯する。
「ええ、いいですよ。どこまで動くか、私も気になっていましたしね」
静かに画面を――今は黒く何も映さない画面を共に見つめ、シタンは静かに呟いた。
「もしかしたら、あなたの中に、この音楽が好きだった誰かの心が生きているんでしょうね……」
後書きイイワケとりあえず蛇足。
ロストテクノロジーを見た後退人類の思考書くの、たーのしー!!
BDプレイヤーの描写、めっちゃ楽しかったです、ハイ。いくらシタンに変な物日頃見せられてるとはいえ、フェイ、わっかんねぇだろうなあ~(ニヒニヒ)と書いておりました。
気合いが入っているのは『冥き黎明』の旋律を言葉で表現するところですが、難しいけど楽しいねぇコレ。かつてTIGRAFの水口さんの講演で「ゲーセン音楽は音抜け重視」という言葉があったんですが、RPGの音楽――特に植松さんによってスクウェア音楽室で煮込まれて、それをその身に溜め込んで描き出してきた光田さん達の作る曲は、やっぱりかつてのゲーム音楽という枠組みからすると新たな進化の一つの形を作ってるよね、と思います。とはいえ、最近のゼノだと光田さん、完全にドラマ部分の曲ばっかりで、それはそれでいい曲ばっかなのだけれども、このゼノギの時代だと、フィールド曲のようなループする曲も面白み多い曲多かったんで、またそういうのをゼノで描いて欲しいなぁ、と欲張り思ったりw
それとですね、楽器の和名、いくつか本来の和名と違う部分があります…が、フェイはそんなに楽器に精通してないだろ、という偏見(だって音楽的なものにあんまり触れてないじゃん過去も現代も)で、多分あまり楽器知らん人が聞いたらそう表現するんじゃないかなー的名称に変えてあります(その方が響きが良かったから、というのもあります)。 なので、他所でうっかり言うと恥かきます。ご注意。
さあて、23周年に向けて、またゼノ充続けていきますかね♪