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翠輪堂-日記-

文月あずさ@JADERINGSもしくはAzusa-Fの趣味的日常記録/不定期更新

ゼノブレイド10周年!によせて~ファミ通の杉浦さんインタビューを見て思い出した事、思った事~ #Xenoblade_fes20
ゼノブレイド10周年おめでとうございます!
しかも、この10周年の直前に、遊びやすさ倍増&ノポンのかわいさ無限大マシマシなリメイクバージョンで遊べる未来が来るなんて思ってもみなかった!!
とんでもないプレゼントをもらっちゃってるよどうしよう!

WIi時代には、初回特典CDゲットで購入したにもかかわらず、子育てやらなんやらの人生タイミングに大激突ゆえクリアまで9年余り、モノリスソフトだって20周年過ぎちゃったわよ! なところでようやく大団円を拝めたような人間ですが(クリア感想もなかなか書けずじまいで涙)、それでも、ハードさえなんとかなっていれば一緒に楽しめるゲームというメディアと、Twitterという従来メディアよりもより一層同好の士と繋がれるメディアで好きな作品の誕生日を年々言祝ぐことの出来るありがたさを噛み締めております。
何より「ゼノが忙しくてゼノが終わらない」 未来が来るなんてねぇ……。98年の発売後しばらくして流れていた絶望の噂、そして06年の終了の時を見つめていた身としては、作り手の命脈を繋ぎ、大好きな物語の旋律を奏で続けてくれている多くの方々の尽力に感謝いたします。……頑張って物語の最後まで見届けますので、しばしの、もうしばしのご猶予をば…!(くっ…コロナさえなければ……略してくっコロ)


それはそうと、ゼノブレDEに先だって出たファミ通のゼノブレ&モノリス特集、嬉しかった~!
表紙のシュルクや20周年絵など、本来だったらモノリスのサイト上でしか見られず、モノリスがサイトを大きく変更してしまったら二度と見られなくなってしまうかもしれないものが紙媒体で残るというのは、今のご時世本当にありがたいですわ~。
(旧サイトにあった「はなしてみてわかること」過去分なくなっちゃったの、ホント残念だったの!!)
個人的にはNOPONでTOZANの求人広告絵も載せて欲しかった…なんてゼータク思ったり。

監督の作品Q&Aがありがたいのもさることながら、個人的には杉浦さんの会社へのコメントが読めたのもまたよかったですわ~。
ゲーム会社が一つ立ち上がる時から20年の時を経てなお作品を生み出し世に送り続けていく姿をファンの立場から(途中若干のヌケはありつつも)定点的に見つめられた、という点において、なかなかない体験だったので。

そんな、勝手に会社ファンを自称する身として「ゲーム産業は、一部の先進国や富裕層のものでなく、もっと遊びの間口が広がってハードルが下がっていけばいいなと思います。なぜなら、ゲームは人を笑顔にするものなので。」という最後の方のコメントを見て、ああ、スギウラさん(達)ブレないなというのをすごい噛み締めています。

……と書き綴り始めてこれ、『繋がる未来』の印象が変わる可能性があるので、『つなみら』で一番最初の買い物ポイントをまだ過ぎてないのだとしたら、もしかしたら終わってから読んでもらった方が良いのかもしれない、とふと思ってみたり(まだ出て一ヶ月経ってないので内容はぼかす!)
私は既にこういう立ち位置からしか物が見られないのだけれども、人によってはそれこそ「ひとのかいた地図で、世界を確認してまわる」事にもなりかねないかなーと。一番いいのは一度『つなみら』終わってからなのは確実なのだけれどもね。

なので、一応商品紹介リンクでクッション貼っておくので、『つなみら』未タッチの人は必要に応じて後日また読んでもらえるとありがたいです。
……なお、私もまだ初めてのお買い物した所から進んでない。
本編を幼なじみ3人揃ったところで(家族布教用に)止めて移動したばっかり。
早くノポンジャーモフりたい。めじゃー! とれじゃー! のぽんじゃああああああ!

さて。
「スギウラさんブレないな」と思った理由、それはEP2が出る直前の2003年11月開催されたTIGRAF(東京国際映画祭CG分科会)の講演会に杉浦さんが参加した時のシンポジウムでの発言にあります。
このシンポジウム、前半の第一部のモノリスとスクエニ(スクウェア)の講演だけ聴いて、プレス席ですらどどどーっと帰ってしまう人多かったんだけど(同じく第一部のカプコンの話の方がよっぽど「映画」絡みでよかったのに! 「ゲーム特集」だからって最新作の話だけ聞きたかった人多かったみたい?)、本当に面白かったのは第二部・水口さん独壇場と、その後に設けられたスペシャルシンポジウム。
この講演会を取り上げたゲームメディア系では唯一電撃ONLINEだけが丁寧に扱ってくれていて、TIGRAFの公式サイトすら消滅した今ではWEB上に現存する貴重な資料と言っても過言ではないかも。
自分、モノリス作品への興味だけで一部・二部とも一般観覧したのだが、全部ひっくるめてとんでもなくいい体験をしたなぁと思っていますわ。過去に書いたレポもこのブログに再UPしちゃくらいにはね。

で、この講演会のオオトリを飾るシンポジウム、本来の趣旨では「ゲームにおけるCGの今後を語る」と言った話になるはずだったっぽいのだが、どこで崩れたか「映画的になっていくゲームをどうプロデューシングしていくか(要するに予算の持ってき方どないすんの)」にフォーカスが移り、杉浦さんと直良さんが喧々諤々。当時フリーの水口さんが「金出してくれる所に行けばいいじゃん」とマシンガントークをぶっ放せば、三並さんがサラリーマンの悲哀を見せるのを、渡辺さんが映画のプロデュース手法との比較の中からキレイにまとめあげるという、少なくともここ十数年は類を見ない、とんでもない会だったなぁと。ゲームをカネの観点から見る会って、ゲームそのものの話をする枠組みじゃ絶対出てこないよね、そりゃ。単なるミーハーなゲームファンであった若造としてはホント刺激になったものでしてん。……それらが今現在自分に活かされているかと言うとちょっとゴメンナサイな結果ではあるんだけど。

そんな中、最後に「どんなものを作っていきたいか」といった事に話が移った時、杉浦さんが『メタルオブオナー(ライジングサン//2003年12月発売)』を引き合いに出しつつ、(ゲームという媒体ではないかもしれないが)自分なりの『戦争』を体験して、自分の考え方を提案させるような、そんな作品を作りたい」と発言してまして。
水口さんはともかく、他の二人は(会社の事を慮ってか)あまり具体的な展望を話せない中、随分具体的な話だなぁと思ったのと同時に、その時展開していたゼノサーガの、信条的な結束で動いているU-TIC機関(オルムス)と、一見民主的にまとまっているように見えるも一枚岩ではない連邦政府側、それに翻弄されかけているシオン達という主題を思うに、そういった方向性での展開もあるのかな、とおぼろげながら感じていたりもしました。



そしてもう一つ。
それは、EP3発売の際、初回予約特典としてついてきたDVD資料集
(※前にTwitter用に撮った写真、ブログじゃ大きいのでサムネサイズで(クリックで拡大)。間に合ったらブログに合わせてサイズ調整します)
ゼノサーガEP3予約特典DVD
この中、東京ゲームショー等での公開映像や、キャラクターの制作過程絵などはもちろん、制作発表会の会場の映像があったり、販促ムービーやら店舗ポップやらゼノサに関わる宣伝商材がどかっと詰め込まれている、当時のゲーム販促資料の集大成としては一級品としか言いようがないアイテム。
実のところ、06年は自分にとっての人生大転換期(リアルタイムプリンセスメーカー開始だけじゃなくてね)ということもあって、このDVDをまともに見たのは「ナムコが自作ゲームのアーカイビング化に取り組み始めたよ」という記事に刺激されての事だったのだけど。

ゲームをアーカイブすることの大切さとは?「ナムコ開発資料アーカイブプロジェクト」
[2019/11/1]アソビモット(バンダイナムコエンターテイメントWEBメディア)


その中に、EP2の時の【完成記念パーティ】の時に流れた映像というのがありまして。
(これもサイズ修正間に合わなければクリックでサムネ拡大します)

EP2のEDロールの左側、後日談映像を流していた部分に、おそらくは社長(少なくとも会社経営陣)から社員へとあてたメッセージが載っている、という特別版。

それは、まず2003年の世界的な天候不順に始まり、火星大接近、イラク特措法、中国の宇宙接近にイラクでの日本人外交官の殺害事件と自衛隊イラク派遣へと話が続いていく。
そして……
(※現物を見る機会を持てる方が現状限られているので、確かな引用資料として写真繋げてUPさせていただきます)
ゼノサーガEP2完成記念パーティより引用

この後は、普通の完成記念パーティ用らしい、制作を支えてくれた皆さんへの謝辞が続くのだけれども、その内容、最初見た時は「え、ゲームの制作おつかれさま会でそれ言うの!?」とビックリしましたわ。それを(当時の最終作の)ソフトの初回特典に付けちゃうことも含めてね。
重い、重すぎるよスレッガーさん!!

でも、今見返してみて思う。講演会で垣間見せた言葉、そしてファミ通のあの発言を併せて思うのです。
モノリスソフトに流れる創作の魂はここにあるんじゃないか、と。

現実世界の流れの中、ゲームで物語を綴る事の意義を常に考えて欲しい 、と。
ただの一つの娯楽かもしれない、それでも、それが誰かの生に一石を投じ、世界と関わる力になるような物作りをしていくんだ、と。

実際のところ、そこまで重い物を背負わせているのかどうかはわかりません。が。

モノリスが――高橋監督と、彼と共に物作りをしたいと会社を築き上げた人達が――その根を静かに下ろしている映画やSFといった【物語る表現技法】、それは、作られる時代によって世界の流れ・世界の視点から必ずしも自由では無く、しかしながらその不自由さゆえに色々な物の見方・考え方を作り手にも読み手にも求めてきたように。

そしてこの20年あまり、描かれる物語の奥底に流れるリアルが、地下水脈のように張り巡らされた世界への眼差しが、きっとモノリスの作る物大好きな自分を捉えて放さない本質なんだろうな、と思うのです。
目を背けられない世界のリアルに対し、ゲームという娯楽を通して、私達はモノリスからとんでもなく大きなものに想いを馳せるきっかけをもらっているのかもしれない、と。

そういう意味だと、私個人は、自由な学びの場を得た歳に彼らの作品に出会えた事は本当に幸運だったし、彼らの創作に魅入られ、その良さを周りに伝え続けている多くの仲間がネットの海の向こうにいるという事は、本当にありがたいことだなと思っています。
何より、創業メンバーの志を継ぎ、今も切磋琢磨し続けているであろう、モノリスソフトの多くの作り手さん達の存在も、また。

  *  *  *


私自身、『繋がる未来』は、まだ初めて買い物出来るポイントまでしか進められてないのですが、そこに至るまでのとあるイベントで、この想像は間違ってなかったのかもなあ、と思ったりしています。
本編の中でメリアちゃんを巡る状況からじわじわと語られてきた事だから、少し心に引っかかっていた事ではあるのだけれども、今回の『つなみら』のおかげで、登場人物の言葉やふるまいから、考えろ、考え続けろ、というメッセージをもらった気分
正直、作っている時はこんな世界情勢になるなんて思わなかっただろうけれども、SFもビックリなパラダイムシフトを迎えた現在の世界で、作品が世界と繋がり続けようとする宿命を感じざるを得ないのです。即座に行動を起こさずとも、その事を心の片隅に置き、考える事をやめてはいけない、そう言われているような気すら覚えます。

物語がどう走って行くのかを楽しむと同時に、楽しませて貰っているこちらとしても、常に襟を正して、まだまだ考え続けないといけないね、と。

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