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翠輪堂-日記-

文月あずさ@JADERINGSもしくはAzusa-Fの趣味的日常記録/不定期更新

EP2二十周年おめでとりなんだがEP1ミニゲーム充実のワケを今更ながら妄想考察してみんとす
初クリアの時のスクショ(点数しょぼ)
かなり前にツイで「何故ゼノサEP1のミニゲームはあんなに本格的なのか(本編制作がかなりギリギリだったって監督とBN原田氏の対談@4Gamer.netであったのに)みたいなのを論じてるTLの流れがあって、それについて思った事をツイに流すつもりだったんだが、相も変わらず長口上になってしまった ので、ブログにて再編せんとしまして。
(最初の発信元は元より、全部の発言を網羅的に見られた訳ではない自覚があるので個別引用は行わないです。引用させていただけるのであればお声がけいただけると幸いです)
…幾らツイをナンバリングしてても、一ヶ所だけ抜かれてリツイされると、思っていた意図で伝わらず最悪一人歩きしちゃうの怖いんだよね。それぞれが140字に収まらなかった(定期)というのもあるのだけど。
(「ブログだウヒョホー」と開き直って大幅補遺・大幅増量も定期)

 *  *  *

ゼノサEP1ミニゲーム充実の理由、むしろスクウェア時代の作り方手法の名残 のように思えるのよね。FF8以前のスクウェアでは、担当者がそれぞれに面白いと思うものを寄せ集めて一つのゲームにまとめ上げていたような感じがするので。ロマサガ/サガフロ、ライブアライブ、クロノトリガーの、それぞれのシナリオ、それぞれのキャラクター、それぞれの世界観、それのバイキングビュッフェというかごった煮というか奇跡の闇鍋
スクウェアがそういう手法で作品作りをしていたというのは、かつて光田さんのサイトにあったインタビュー記事で加藤正人さんが明かしてらしたのだが、プロキのサイトを再構成し直した今は取り下げてしまったようで、確認出来るソースがWEB上から消滅してしまったのは至極残念。(2017年9月のゼノブレ2じっちゃんダイレクトの頃に自分が見た時にはまだあったんだけどねぇ。むしろ吉良さんの記事を復活させて欲しい(涙))

そういった事を踏まえて、リアルタイムでスクウェアのSFC→PSへの転身、もっと言えばFF6→FF7の変遷を楽しませてもらった身としての何となくの想像なんだが、SFCからディスク機(SS/PS等)と容量爆上げで、作り手にとっては一つのゲームの中で表現出来ることが増えて、それぞれのチャレンジを一つの作品に目一杯詰め込んで作品世界を広げた ように見えるのよ。FF7のバイク・スノボ・潜水艦というガチなミニゲームが本当にそういうチャレンジの一環じゃないかなという感じだし(ルーファウス記念式典とビンタ対決はまだしも)、ゼノギのバトリングやタムズでのカードゲームとかも同じ流れに思える。ゼノギはさらに、ラハン村でのじゃんけんバッヂやアヴェのサーカスでのグルグルバンバン、キスレブの貯金箱メトロノームetcetc、こうして見るとかなりミニゲーム多いよね。そして私全然やりこんでないorz
こちらの攻略サイトさんでは台詞網羅されてるので、気になる方はどぞどぞ。爆破とか知らんかった…。

そんなミニゲーム三昧の流れを受けて、ゼノサEP1のミニゲームも、メインの描画エンジンをこさえる前の段階で、個々のスタッフさんが作品世界を広げる為に作っていたものなのではないかなーと思っていたんだけど。
よくよく調べて見たら、週ゼノ上でミニゲームプランナーとしてクレジットされてる中島和俊さん(Kazutoshi Nakajima / 週ゼノvol.4 P12 / EDムービーではEDではガイナンとヘルマーの交信の辺りにお名前アリ)【ミニゲームプランナー】として単独でお名前が書かれてるっきりで、どのミニゲームに誰が携わってるかは明確じゃないのね。まさかお一人であの量を&種類を作っていた…?過去のモノリス職種インタビュー(Vol.5 プランナー編 2018/5/17公開)を見る限り、モノリスのプランナーさんのお仕事って叩き台作り・仕様固めがメインのような感じだし、その一環で、いろんなものを作ってはとにかく入れていたのかしら? 当時のモノリスは不夜城だったとはいえ、おひとりで頑張るにはちょっと大変そうに思えるのだけど……。週ゼノ・攻略本・設定本をざっくり洗った程度だと、どこをどなたがって話も出てきてないので、実際どうなのかなー、と(エルデカイザー担当は多分新井考さん?セグメントファイル担当は壁雅弘さん?(共に参照は週ゼノVol4スタッフコメントからの連想)というくらい)
正直、仮説に固執するのはあまりよろしくないなーと思いつつ、ここら辺、関係者自らがバラしてくれないとわからないというのが本音です。
なお中島さん、週ゼノ(同上)ではカードゲームとバトリングのヤリコミに言及されてましたのでご参考までに。……ハードモードのタイムアタック1分以内かー…(遠い目)

それはそうとして、そういったEP1の豊富なミニゲーム路線からガラリと経路を変えたEP2のG2キャンペーン、これらは基本的にメインのゲームのシステム内で構成されてるんだよね。別ゲームエンジンを組み込むレベルのものがほぼ無い代わりに、テキストベースの中で作品世界の掘り下げはしっかり出来るものになってる。おそらく、上述の原田さんとの対談記事にある「社内が「限られた期間と予算の中でできることをしよう」という空気になっていきました。誰が言いだしたわけでもなく。」という流れの一環だったのかもしれない。やっていた当時は「(EP1からあったセグメントファイルを除けば)随分ミニゲームが低予算化したなー」と失礼な事を思ってたのだが、前述の監督のあの告白があった事で自分の中では歴史のパズルの一ピースが埋まったように思う のよ。メインの流れ以外の動作を必要としたものというと「塩塩砂糖塩砂糖カレー」くらいだろうか?(「雨雨権藤雨権藤」っぽいよね、と言い出そうとして、そうよ権藤監督旗下の横浜ベイスターズ優勝は前世紀なのよ、という現実に気がつくorz)
個人的には、グリュプス・シスターズのクエ、あれはゼノサ以外の世界観ではそうそう出来ないギミックで攻めてきていて、すごく良かったと思う。一番好きなG2キャンペーン。これはツイでも何度か言ってるけど、ゼノサを語る時は言い続けるぞ。ホント好き。
新しい仕様を詰め込まず、既存のシステムの中で遊びを増やす――そういう方向に舵を切った事で、ゼノブレ以降のサブクエがかなりの数を用意できるようになって、作品世界を物語る時の幅の豊かさに繋がったのかもしれない とさえ、今からしてみれば思う。TRPGクラスタなのでSWや妖魔夜行、セブンフォートレス/ナイトウィザードのようなシェアードワールド的に、特定のゲームシステムの中いろんなシナリオを自由に組み立てて遊ばせてもらってる感覚に近い。そう考えると世界観統一大変だなーと思うときはあるけれど、そこに関してはほぼ違和感ないのは、総括するプランナーさんの手腕といったところなのかな(あとどんな好き勝手言い出しても許されるノポンの存在が大きすぎる)。

なお参考として、同時期制作だったバテンで「先にやれることの枠を決めて、その中で自在にやってもらった」という発言が設定資料集の方にあったりするのも少し心に留めておきたい。 マグナス集めから派生する星座集めや、画面表現として描かれているだけのはずのオブジェを集めちゃえ~な動物集め、そして何よりクズマーン一族の系譜作りはゼノブレのキズナグラムの源流とも言える流れで、やはり世界深化を如何に作品のメインの機構の中から生み出していくかの試行錯誤の産物だったと、今にしてみれば思う。どれもこれも、会社存続があってこそ再び花開いたものではあるのだけれど。

一方、作中既存システム内にとどまらないものも何らかで作り続けていて、それがEP3のGeMixだったりブレ2のTiger!Tiger!だったりかなとは思う(バテンだとミンディールSTGか)。これらはゲームアイディア&システムメイクの硬直化、慣れたRPG的手法への依存を防ごうとしてる社内チャレンジの一環だったのかな、と、あくまで憶測だけど。得意のRPG技術ばかりでは、もしRPGが衰退した未来が来た時、会社を存続させるのに困るから。PS2時代、無双シリーズのあまりの無双っぷりに、PS時代はそこそこバリエーションの多かったS-RPGが、急激に衰退してFEくらいしか見かけなくなってしまったように、一つのジャンルが突然先細る事は十分にあり得るし(一応ナムカプ/PXZ、サモナイ、デビチル等あることはあったけど、ほっといてもタイトルが耳に入ってくるジャンルでは無くなってしまったな感は強い)
そういう点では、ゲーム内ミニゲームは別に構わないのですよ。たとえACT苦手でRPGやSLGに傾倒したダメゲーマーな私みたいなのが「成長/進行の必須事項にしないでぇえええ~!」 って毎回ギャフンってしてても…ももも。……で、出来れば逃げ道を用意しておいて下さると大変ありがたく存じます(平身低頭)
15秒しないうちに死ぬノポン
▲え、15秒も生きられてるなら上等じゃん(5秒でゲームオーバーになるダメプレイヤーとはこのワタクシ)

アクションゲーム的なものに関しては、バトル担当の島本さんが、それこそEP1(資料集)の時点から「やりたい!」と熱意を持っていたりしてたし、やはり作り手として、何よりゲームが好きな者としては、その手で是非とも生み出したいチャレンジの峰なのかなぁと思ったりもする。
ポケモンの田尻智さんの処女作『クインティ』の回顧であったように「傑作はすべて新しい動詞からはじまる」みたいなところは、ゲーム作りに携わる人みんなの果てなき目標なのかもね、と。
(参照:『ファミリーコンピュータ 1983-1994』東京都写真美術館『テレビゲームの展覧会 レベルX』図録 (NDL請求番号:KD958-H77) P120
←元の発言は 田尻智『新ゲームデザイン : TVゲーム制作のための発想法』エニックス 1996年(NDL請求番号:KD958-G72))


そう考えると、普段RPG作ってる人たちでも、そちらへの情熱を封じてしまうよりかは、むしろ「出せる企画の中で思い切って組み込んでおしまいなさい!」という気持ちはあるわね。
それが次の新しい「楽しさ」を生んでくれるなら、それはプレイヤーとして大歓迎なのよ♪


実はこの記事、2024年初頭に書きかけていたものの、自分の中で一部詰め切れず放置だったんですが、FF7リバースがミニゲームもりもり祭りだったという話がTLに流れてきて、ああもしかしてFFとモノリス作品の分水嶺はここにもあったかもしれないと思って浮上させてみました。FF7Rは「過去作のイメージをしっかり残す」という命題もあった上でのミニゲームもりもりらしいので、それはそれでゲームの一つの進化の形・何を大事にするかのスタンスの違いだなと。純粋のゲームの歴史の発展の仕方のそれぞれとして興味深いわねぇ。

それはそうと、虚無モーグリはそのうち悪ふざけでスクエニショップが売ってくれたりとかして欲しいクポ。

検索用タグ:ゼノサーガ ゼノブレイド ゼノギアス FINALFANTASY7 

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