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翠輪堂-日記-

文月あずさ@JADERINGSもしくはAzusa-Fの趣味的日常記録/不定期更新

ゼノブレ2八周年おめでとりにコールさんSS
うわー、ゼノブレ2もついに8周年かー。
子を授かってから、ソマブリ8年、ゼノブレ無印8年掛かった人間なので、そう考えると、イーラまで含めて8年しなかったというのは実は私の中でちょっと早いです。……早いんですってば!!
さすがにゼノサEP3一ヶ月で終わらせた時に比べると激遅なんですけどね。
……ダレダヨー、「子供が小学校に上がったら楽になるからゲーム出来るよ」って言った奴ー。
(旦那含めて順繰りに風邪引いて常に誰か家にいる状態がオールシーズン発生してたのと、コロナ挟んだせいでいろんな事が狂いまくってな……)

とはいえ、【4000年後の未来に生きてく理由が見つかるコアクリスタル】が手に入ってないので、エンディングは見ましたがクリアはしてません(もちろん2週目も)という厄介オタク魂は不滅です。ブレクエもまだ半分も終わってないしよー。

それにな、やっぱりいろいろ見返したい部分は多いねん。
あまりにも長くゲーム触れてないと、もすもす二次創作のタネが沸いてきてしまう人間なのですが、それが描写としてちゃんと本編と矛盾ないのか気になりすぎてダメダメなので。
あまりにもそれが講じてて&ゼノブレ3に至っては全ての非ムービー会話・サブクエを片っ端スクショするという暴挙をかましながら進行していたりします。Switchの最初の方と違って、スクショ保存するのにいちいちSDカード抜かずにPC接続だけで済むようになってるのも多分よろしくない(望月さん理論)。ゼノブレ2も2週目やったら同じ事やっちゃいそうだなあ。ううう早くやりたい!(マテ)

と、そんなこんなで沸いてきちゃった二次創作、今回も6周年の時にやったじっちゃん話に引き続き前日譚です。
舞台はパジェナ劇場、語りまするはコールさん。時々脳内若返ったミノチさん。
……ふふっ、ご年配NPCキャラで話書くのたーのしー!
ゲーム本編進行中の二次創作も3周年の時にしたんですが、風コモンちゃんの話なので、ほぼほぼNPC話だなコレ。
まぁゼノは、メインキャストの物語がしっかりしている分、脇役のお話を想像するのが昔からめちゃくちゃ楽しいです。

とはいえ、今回はプレイアブルキャラも出るよ! ていうか出まくるよ!

いつも通りPC向けは別ページ/スマホ向けには間に一枚挟んでおきますので、二次創作苦手な人はサヨナラでお願いします。
スクショは、コールさんのいい感じのが手持ちに無かったので、たまたま撮ってあったイーラ初登場時のミノチさん。ミノチさん使うならホントはラウラが孤児院作ろうかな話を陰で聞いてる辺りとかいいかなと思ったんですが、確保出来たらそちらに差し替えます。……ムービーシーンはファーストプレイだと集中してみたいのでほとんどスクショ撮らないで、必要になったら後から見返して撮る主義なのですが、締切間際にあれしようこれしようとすると、必ず家族の体調が急転直下してムービー見返しも出来ない事が多いので、ブログサムネ確保はとりあえずやっとく。まだパーティにデレてないツンな時期のミノチさんです。
まだツンなミノチ


とある脚本屋《ほんや》の奇想曲《カプリース》

 舞台が捌けて客は連れに口々と感想を上らせながら出口の明かりへと向かう。観客席の最後尾、隅の席でそのさまを眺めるのは、この劇場の支配人にして脚本・演出家コールの日課であった。
 演目は『英雄アデルの生涯』。
 五百年前に実在した英雄の物語であり、この劇場で一番の人気演目だけに、近場の者から遠方からの旅人までと客は常に多い。インヴィディア人のみならずアーケディア人、スペルビア人、グーラ人、ノポン族とさまざまな人種が集い劇を楽しむ姿は、まるでアデルの陣幕そのものであるかのように賑やかで、いつも懐かしさすら覚える。
 その中に一人。
 ぴくりとも動かず、降りた緞帳を見つめ続けている者がいた。
 ざんばらの黒髪に仰々しい上着。背には派手な両手剣《クレイモア》。
――もしや寝入っておるんじゃあるまいな。
 たまにはそういう客もいる。コールはつかつかと席まで降りていって斜め後ろから声を掛けた。
「ほれお客人、芝居は終わったよ」
 彫像のように固まっていた彼が、まるで魔法が解けたかのようにびくりと肩を起こした。
「ああすまんすまん。感動のあまり動けんかったわ」
 妙に熱っぽい口調で振り返った顔は意外にも若かった。ここらでは聞かないお国訛り。眼帯をしているところを見ると傭兵か何かだろうか。それにしては、連れ合いも無しで静かに芝居を見ている傭兵など珍しい。
 普段はわざわざ客に声を掛けることはないのだが、ふと興味が沸いた。
「ここの芝居は初めてか?」
 問われて青年は人好きのする笑みを浮かべた。
「そうや。宿のおっちゃんに見てみぃ言われて来てみたんやが、いやはや」
 言いながら彼は感慨深げに顎に手を当てる。
「所変われば品変わるっちゅーか……うちの国にも英雄の話はぎょうさんあるが、それのどれとも似とらん。随分違《ちご》とるな」
「ほほう……」
 アデルの伝承は世界各地に数多ある。他ならぬ彼が世界各地の傭兵を率いてメツと戦っていたからだ。その中でも特に熱心に英雄の物語を伝承しているとしたら。
「おまえさん、生国はルクスリアか?」
「ようわかったな。英雄アデルはワイの国の偉大なご先祖様や」
 自慢げに青年は鼻の穴を膨らます。
「ワイの国じゃ、もっと派手派手しぃ話ばっかりだったんやけどな。こういう厳かなやつも、なかなか味があってええな思うてな」
 方々にアデルの伝承があり、それぞれに違った伝わり方をしているからか、劇場の客の中には「こんな英雄アデルの話はありえない!」と言い出して席を蹴る輩もいる。それもそれで一つの感想だ。コール自身、描きながらもこれがアデルの全てだとは思っていない。
 しかし目の前の青年は違うようだった。ありのままを受け止め、見たものを咀嚼し、真摯に理解しようとしている。
 まるで全てを受け入れるかの如く。
――懐かしいな。
 ふと琥珀色の瞳の青年を思い出し、コールは――いや、ミノチは――心で苦笑した。彼とは似ても似つかないのに。
 いや、一つだけ同じ部分があった。それに気づいてコールは問いかける。
「すると、その大剣《クレイモア》はアデルの真似か」
 ぱっと青年は破顔した。
「せやで。英雄アデルも両手剣《クレイモア》だったっちゅーから、ガキんちょの頃から剣術稽古は両手剣《ツーハンデッド》一択や。たまたまとはいえ、憧れの英雄サマとおんなじなのはめっちゃアガるわ」
 よくぞ聞いてくれました、とでも言わんばかりの笑顔。暗い客席でも明らかにわかる。
「(たまたま?)」
 言葉の端にある不自然な表現に首を傾げたコールは、それ以上に、不格好に結びつけられた帯留めに目が吸い寄せられた。立派な鞘にはそぐわない、如何にもいい加減にぐちゃぐちゃと巻かれたみっともないそれに。
「帯留めの巻きがやや違うようだな。もうかの国では廃れてしまったのか」
 指摘すると、彼はばつ悪そうに頭を掻いた。
「最初は違う巻き方しとったんやけどな。何度か外しているうちに崩れてきてしもうて、したら戻し方がわからん。しょーないから無理無理に止めてるんや」
「だがこれでは支えが弱かろう」
 不格好な結び方ではいつ何時すっぽ抜けるかわからない。こと工芸に関して繊細だったあの国では、不思議と皆が良い所作を身につけていたとコールは思い起こす。少なくともこんな帯の結び方をする者はなかっただろう。
 演出家・考証家の本性が無駄に疼いた。
「かの国の巻き方を教えてしんぜようか。そう難しくはないから、一度覚えたら崩れることはあるまい」
「ほんまか!」
 傭兵にとって武器は命の次に大事な物。でも彼は素直に鞘を渡してくれた。そういったところもかの王子の面影があるようで、コールは知らず目を細める。
「せっかく熱心なファンが来たんだ。この位のサービスはやってやらねば劇場の名が廃るというもの」
「おっちゃん、関係者だったんかいな!」
 ……こう、変に抜けているところも似ている、かもしれない。
 心で苦笑しつつ、帯と帯留めを触ったコールは、はたと息を飲む。
 と、そこで、軽い足音が席の後ろに近づいてきた。ぱっと光が――ブレイド特有の光が――差し込む。
「王子ぃ、遅なって堪忍な」
 パタパタと騒がしい女の声。傭兵はあきれたような声で応じた。
「相変わらずやでサイカ。劇終わってもうたやん。……で、ええ化粧品は見つかったか?」
「バッチリ! さすがフォンス・マイムやわ」
 大きな眼鏡を掛けた少女のブレイドは、目の前の男と似たような笑顔でにぱっと笑う。コールに気づきぺこっと頭を下げた。
「あらあら、こんちは。お知り合いさんでも出来たん? 王子」
「ここの劇場の人やて。……えーと」
「脚本家《本書き》じゃよ。おまえさんが見ていたお芝居のな」
「マジか!」
「えーとえーと、王子サインもろとく? ってああっ! 書くもの何も持っとらへん!」
 やかましい二人だ。でも不思議と嫌ではない。
「あいにくとサインはお断りしておるんじゃ。まぁパンフレットは受付で売っているから買っていってもらえると劇団の皆が喜ぶ」
「おっけー♪」
「おっちゃん、商売上手やな」
 ポンポンと弾むように繋がる会話。よほど強い絆で結ばれたドライバーとブレイドなのだろう。
 帯留めと鞘を手に取った瞬間わかった。これはただの鞘ではない。ドライバーに合わせてブレイドが構築した、ブレイドの武器をヒトの武器らしく見せかける為の鞘だ。
 ブレイドが独立で戦っていた時代には存在しなかった。ブレイドがドライバーと武器を共有し、共に戦うようになってから生まれたものである。そして、その誕生の瞬間を、コールは――ミノチは――目撃している。
「しかしお嬢さん、良い剣《ブレイド》だな」
「せやでぇ。えっらい男前のドライバーやもん!」
 男に腕を絡め、ブレイドの少女がニカッと笑う。
 そうか、笑顔が同じなのか、とコールは思った。かつて野営で火を囲んだ時の仲間たちを思い起こす。強い絆で結ばれ生まれ出でたブレイドとそのドライバーは、姿かたちに違いはあれど、皆並ぶと不思議と似た笑顔であった。ただ独り結び合うドライバーを同道していない自分にとって、それはまぶしく、そして少しうらやましい光景でもあった。
「そうしたらむしろブレイドのおまえさんにも教えておいた方が確実じゃろな。ここの帯留めの結び方」
「おおきにな。うち、どうしてもふわっとした感覚でつけさせててもうたから王子に上手に教えられへんで」
「サイカぁ、そりゃないで」
「だってしゃあないやん。ウチもなんとなくでしかわかっとらへんもん」
「きちんとやろうとしたら少し難しいかもしれんがな。一度覚えてしまえば確実じゃよ」
 コールは入り口の燭台を側に寄せると、興味津々で覗き込む二人を前に帯を手に取った。

***

 気がつけば、外の屋台にも明かりが灯る時間になっていた。夜の公演の仕込みで楽屋が賑やかになる頃合いだ。
「長逗留して悪かったな」
「いいんじゃよ。こちらも懐かしい気持ちを思い出させてもらった」
「おいちゃん、ホンマありがとうね」
 良いドライバーとブレイドだ。掛け値なしにそう思った。かつて旅した仲間達と、いや、それ以上の絆を結んでいくのだろう、そういう確信がある。
「帯の結びもそうだが、かの国に帰ったら伝えてもらえんか。この英雄アデルの物語をな」
「わかった。ええ土産話になりそうや。おおきに」
 雑踏に消えていく大柄の青年とブレイドの少女を、コールは目を細めて見送る。黄昏に染まる街並に、今はない王都の姿が何故か思い浮かんだ。



 彼らの物語が再び交わるのは、もう少し先のこと。

SNS用タイトル画像の背景元絵


カプリース(caprise)、パスタ屋のカプリチョーザの元ネタですね。思い付きというか気まぐれというか。
音楽用語はゼノブレだけじゃなくソマブリもそうなんですが、モノリス作品と相性が良くて好きです。音楽を大事にする作風だからかも、と思ってます。どの作品でも音楽と音の演出にあれだけこだわるの、数々の映画に育てられ、そしてゼノギアスのサントラであれだけの思いを吐露していた高橋監督の感動もあるけど、元コントラバス奏者だったという杉浦社長の思い入れも実は多いのかななんて思ったり。

そもそも、この話も相当気まぐれな作りしてますね。
ジークがパジェナでアデル劇見て感動の嵐してたら面白くない!?ってただそれだけ。でもそれだけだとミノチさんと絡む余地がないので、無理矢理絡める形にしたら、ミノチさん主役の叙情的なお話になってしまいました。この展開、イーラやってる最中に思いついてるんだから私どうなっているのだ(矛盾が出ないようクリアまでは書きたいところだけ殴り書きで封印してました。まぁ殆ど本筋の直しはした記憶無いんですが)
しかし、本編だと徹頭徹尾ミノチさんとジークの絡みないんだよなあ(キズナトーク見逃してたらごめんちょだが、多分無いよね?)。あっても面白い気がするんだけど、マルベーニを巡ってなんやかんやとある二人なので激重になるか、そっちほったらかしでアデル話に興じてジークが暴走するかの二択になりそう。
なお、ジークとマルベーニの邂逅はこの話の前か後かは特に設定していません。書いてる私としてはどちらでもいい派。どちらかにしたらまた物語の意味が変化しそうな気もするんですが、そこまでは面倒みません。読み手さん達の自由に気ままにオマカセいたします♪

ちなみに、タイッツー用表紙&文庫メーカーの背景&お話後のインサート↑に使ってるのは、自宅のカーテンを舞台の幕に見立てて撮影→色いじったりなんだり適当に画像加工したものです。自分がピアノ弾き→過疎小学校ゆえ役持ち各種→吹奏楽部→放送部したからニブチンだったんですが、普通の人って学校の体育館含めて舞台に上がる機会って実はほとんどないのな?と、普通人口地域育ちのうちの子らに指摘されて愕然。自分にとって舞台袖とか楽屋とか舞台下通路とかすごい馴染みがある場所だったんだけど、そうなのかーそうだよなーと。舞台や劇場の醸し出す特別感、自分が描写すると少し薄くなってしまうかもしれないということはどこかで心に留めておかないと。

しかし、タイトル!相変わらず難産!で、禁書目録に手を出してしまいました。禁書目録も超電磁砲も自分の方の時節整わず未履修作品なので申し訳なかったのですが、うっかり使っちゃったら便利すぎるー便利すぎるー今後はどこかでちゃんと読むまで封印!いいね私!!(←ルビ振ってないけどみんな読めるよな?)
ていうか、子供らの文化祭見学行った先の高校科学部でふつーに「とある科学部の超実験」とか看板に使われていて、君ら生まれる前の作品だよね!?リアタイ物心ついてないよね!?って何度もなりました。使いやすい名タイトルだよなあ。つーかナチュラルに某最高学府の試験対策サイトで使われてるのが検索レコメンドに出てきて吹いた。こうやって連綿と受け継がれているのか……。

それと、こんな後ろで言うのもなんですが、お気づきの通り非ネイティブ関西弁ユーザなので、この話のジークの関西弁はエセです、エセしまくりです。
私自身は関東生まれの関東育ちなのですが、旦那の生まれが(転勤族とはいえ)関西&実は私自身の祖父母が関西方面の人だったんで(戦中満州→引き上げた時満州での伝手を頼って関東に腰を下ろした人達だったらしい)、実は地味に関西方面の言葉回しには子供から馴染みもある人間だったりはするんです。小さい頃はついそっちの言葉使っちゃって先祖代々地元な他の子達に通じなくてハブられたりもしましたがさておき(「ほかす」とか普通に言っちゃってたら子供同士じゃそりゃ通じないわよ)。ただ、ホント、幼い頃のブロークン関西弁育ち(たまに聞くだけ)なので、書いててスルスル出てくることは出てくるのだけど、これでホントにいいのか戦々恐々。ツダケンは(インタビュー番組とかの端々で出てくるように)ネイティブらしいのでホント申し訳ない! でも書いてて脳内であの声でガンガン再生されるのすごく楽しかったー! 声が既に定まっている映像作品で二次創作やる醍醐味ですね、ここら辺。あの声で好き勝手動いてるのをイタコして書いているだけな気分でした。

*  *  *

今はゼノブレ3を進めるのが手一杯で、ゼノブレ2自体は年に数回のKOS-MOS&メイちゃん降臨チャレンジを除いて1クリア時点で完全に止まっている状態ですが、こうやって書いてるとやっぱりまたやりたいなあという思いがウズウズ。それはそうと、読んだお話の余韻がまだまだ創作のタネを呼び起こすので、イーラを中心に書きかけがぼちぼちあったりします。話を見返しつつ、少しずつでもいいから書いていきたいな。
とはいえ、まずは3とクロスDEの行く末を見てからになるでしょうね。
そうしたら、もっと新しい物語のタネが生まれてきそうな、そんな気がするから。

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