忍者ブログ

翠輪堂-日記-

文月あずさ@JADERINGSもしくはAzusa-Fの趣味的日常記録/不定期更新

ゼノブレ2六周年おめでとり!でじっちゃんSS書きました。
いやあついに6周年!
なのにイーラ終わってないホントにごめん!!!!!
だってヒトノワ4以降クエスト増えすぎだもー。サブクエ話楽しすぎだもー。みんなキズナグラムがちがち繋がりまくりでウヒウヒだもー!

……オンライン終わっちゃうっていう告知以降、少しでもゲーム出来る時はミラに行ってるのも悪いのです自分(本音)

あの告知以降、今年中のイーラのクリアは諦めました。
少しでも報酬チケットを稼がなければってスコクエでシルネアどついたりしてます。
ラオさんの後妻に入れる位のキズナになったので、今はエリートしてます。えりーとえりーと。


そんな感じでゼノブレ2には不義理な日々なんですが、昨年のうちにかなり形になっていたSSだけは仕上げましたよー。
ずばりレックスがイヤサキ村から旅立つ前夜。
じっちゃんとモブ村長(前)しか出てこない話です。
誰得なのか。いや断然俺得でしかない。ていうか俺得で十分じゃない?
そんなこんなで出来ちゃいました。
お暇でしたら後書き含めてどぞー。
二次創作苦手な方は商品リンクで弾幕してるのでリターンでよろー。


Xenoblade2

楽天で購入







希望の岬に竿さして

 時見星が世界樹のてっぺんに掛かる晩には村の寄合がある。
 そんな夜、セイリュウは決まって自分の酒蔵から樽を二つばかり出して村の岬に置いておく。昼間であれば子供達が雲海飛び込みの練習をする場所だが、この時間であれば寄り付く者は居ない。
 否、ひとりだけ。
 寄合からの宴もおひらきになった頃、小柄な人影がゆっくりとこちらに近づいてきた。足音と共に杖が砂をはむ音が空に響く。
「いよう、村長。今宵は随分と遅かったのう」
 村長と呼ばれた男は足を引きずりながら丘に登ってくると、星をも思わせる輝きの禿頭をぬるりと撫でた。
「村長は今夜までじゃよ。明日からはコルレルが引き受けてくれる。今夜は引き継ぎじゃったんでな」
「へぇ、さすが村一番の女傑」
「本人はあくまで留守預かりと称しておるがね。……帰ってくる者があればいいがの」
 膝を痛めたが故に村に留まらざるを得ず、体よく村長役を押しつけられたこの酒呑み友達を、セイリュウは目を細めて見下ろした。
「それならば特上の樽を準備しておいて正解だったというわけじゃな」
「ぬしが呑みたかっただけじゃないのかえ?」
「当然じゃろ?」
 笑いながら鼻面で器用に樽を押しやる。十数年来変わらぬいつもの酒盛りが始まった。

 やれどこそこの家の子が木から落ちただの、今季はスタミナスの実の付きが良いだのと、他愛もない日々を肴に二人は酒を酌み交わす。
「しかしコルレルが村長役となるとレックスはどうするんじゃ」
 話題は村に残った子供の中では一番の年長になる少年に移った。利発で目端も利く村一番のガキ大将で――身寄りなく流れ着いた男の子。
 赤子の彼を抱いたまま事切れた実の母親に変わって世話をし続けていたのは、これまた村で独り身であったコルレルだった。互いに欠いた穴を埋めるように親子同然で暮らしてきた二人ではあるが、彼女が村長の仕事をこなすとなれば彼ばかりにかまけてもいられない。
「ああ、それじゃがな。コルレルが村長になるなら自分も一人立ちするとな。アヴァリティアにでも渡ってサルベージャーになるんだと息巻いておったよ」
 サルベージ業は長らく村の生業《たつき》を支える仕事だった。
 十にもなれば、普通は親の舟《アルス》で数年下積みをして、そうして舟《アルス》の扱いと巨神獣《アルス》からの信頼を得て、村の子供達はいっぱしのサルベージャーとなっていく。危険と隣り合わせの仕事だから、先達は身寄りのない村の子供を預かり共に育てる事も稀ではない。雲海の宝を買い取ってくれるノポン商会などと取引をすることを学び、子供達は口に糊する業《すべ》を身に付ける。
 しかしながら、最近では二大国のいざこざが絶えない為、不確かで技術も必要なサルベージャーよりも、仲介料という形で実入りのある運送屋や護衛としての傭兵になる者の方が多く、サルベージ業は斜陽の一途を辿るばかりだった。船底三寸、それは船乗りもサルベージャーでも変わらないのだからなおさらだ。今、村で他人の子を預かってサルベージの技を手取り足取り教えられるほどの壮年層《わかいもの》は居ない。
 しかし、あの孤児《みなしご》はサルベージを職業《なりわい》と選んだ。もう引退した古い漁師を師と仰いで陸《おか》の上から教えを請い、セイリュウの見守る峰から臆することなく雲海へと飛び込んでいった。琥珀色の瞳をきらきらさせながら。
 ちびり、樽の酒を舐めていたセイリュウの横で、村長はふうとため息をついた。
「本当は、村から誰か師匠を付けてやれれば良いんだがの。とりあえずは運び屋のマイルズにでも相談して、商会付けのサルベージャーにでもしてもらうか」
「アヴァリティア商会か。それじゃあ独り立ちまで長いだろう。あそこのノポン共はがめついから、いくら働いても舟が手に入るまで儲からん」
「ノポンががめついのは今に始まった話じゃないだろう?」
「違いない」
 ひとしきり笑って、セイリュウは静かに向き直った。
「そういうんじゃったらあの子は儂が見るよ」
 それはただの思いつきだった。だが、口の端にのぼらせるとその考えは何よりもしっくりくるように思えた。
 逆に村長は驚いてセイリュウの顔を見上げる。
「いいのか? 確かおぬし、ここに留まるべき理由があるとか何とか……」
「もう五百年もして何も起こらんからの。三十年やそこらは留守にしても問題なかろうて。儂が舟になれば下積みから始めんでも済むしの」
 かつては、この村を統べる者に自分がここに逗留する理由をそれとなく明かしてきた。だが、百年し、二百年し、世界はーーあの王子の願っていたようなーー人とブレイドの晴れやかな未来《みち》を築けぬのではないかと思うようになり……そうしているうちに詳しく語ることをやめてしまった。ここ数代ほどは煙に巻くような話しかしていない。だから、この村長もざっくりとしか理解していないし、そういう関係で済むのなら気楽でいい。
「さてはおぬし、ここの長閑《のどか》さに飽いたか?」
 何も背負わないからこその軽口。セイリュウはふふんと鼻で嗤った。
「儂も若いからの」
 絶望と言えばそれまでだ。でもそこまで悲観的な気持ちになれるほどセイリュウは年老いていない。まだ千三百年ほどしか生きていないのだから。
「夢を、見たいのじゃろな」
 琥珀色のきらきらした瞳に。
 未来を守りたくて、でも、守れなかった瞳の代わりに。
 世界を変えるほどの運命は望まない。慎ましく、でも本人にとっては大いなる旅路の、その行く末を共に静かに歩めればいい。人とブレイドがそうであるように。
 星を見上げたままのセイリュウを村長は不思議そうに見つめていたが、常も謎めいた言動の多い友の事、そう自分を納得させて、再び杯に星を浮かべた。
「まぁおまえさんは長生きなんだから好きにすればいいさ。……ただ、土産は忘れんなよ? いい酒を待ってるからな」
「それにはまず酒の目利きを覚えさせないとじゃな」
 先は長そうじゃの、と一人ごちてセイリュウは改めて酒を啜った。あのちびすけとこんなふうに酒を酌み交わす日がいつか来るんじゃろうな、そんな事を想いながら。





レックス独り立ちの前夜、セイリュウが先代村長と酒樽片手に語らう話。
上のスクショはイヤサキ村じゃないんですが、ごめん、PC保管済で場面に合いそうなのがこれしかなかった。イヤサキ村のスクショ撮り直したら差し替えます。どこのシーンだか当てられる方は相当のゼノブレ通です。

時見星…アルスト世界には無い造語です。最初、「月の満ちる晩には」としていたんだけど、あれ?アルストに月はあったか?と思い立ち…ミラと違って月見た覚えないな?と思い至り…捏造しました。イーラでは確実に見たんだけど、本編どうだっただろか…探し回っても良かったけど時間が取れなかったので(涙)。それにトキノコ(時茸)がサイハテ村にあるから時を見る星とかあってもいいかなと。村長の頭も月のように光ってたんですが星になりましたラス・アル・ハゲー(オイコラ)。北極星というよりは、決まった時期の特定の時間に決まった方角に見える月のような、もっというと船乗りの守り神的な星のイメージです。父様、そこまで考えてアルスト作ってたらいいなあ。

あと捏造というとコルレルさん村長さんじゃないだろ、と。でもなんか村を取り仕切ってるような雰囲気があったんで、しぶしぶ村長代理を勤めることになったという設定にしちゃいました。もしかしたらこのあと交代して別に村長いるのかもだけどイヤサキ村って到達時点でそれっぽい人が居ないし。村長というとおおげさですが、町内会長くらいの緩さです。ゴミの出し方指導したりとか。なおこの元村長、本編の始まる前に天寿を全うしたとかそんな感じでオナシャス(作劇の為なら残酷な文月さん)。
あとコルレルさん、勝手に寡婦《やもめ》にしちゃってごめんねぇ。村を見ると他にも子供引き取れそうな人そこそこいるけど、彼女がレックスの世話引き受けた理由が欲しかった。独身だったでもいいんだけどさ。部屋がね、元々ベッド二つあるっぽかったし。レックス引き取って場所作ったのかそれとも…で後者を採用しただけです。

この話自体は、実はエルピス霊洞をクリアした辺りで一気に涌き出て来ました。モルスでアルスやブレイドの成り立ち、何よりセイリュウの過去を聞けた事で補完出来てほぼ完成。エルピス霊洞のキズナトークは10章でようやく見ましたが、ほぼ矛盾なく出来てたのでガッツポーズでしたね。とはいえ正直イーラでの描写に矛盾無いかなってかなり不安ではあります。ヒトノワ、まだ埋まりきってない上に、多分名冠制覇はゲーマーの腕的に一旦諦めるかもしれないので、そこに関連イベントがあると詰む。ていうかイーラの時点で既に800歳かよ。慌てて年齢追加したわ。

この話では、セイリュウとレックスのバディはあくまで偶発という設定です。もしかしたらアデルの金の瞳の特徴を持った者(古代船の封印を解ける遺伝子を持つ人間)がこの村に産まれたらじっちゃんはアデルから言付かってその人物を守る為寄り添い続けていたかも、という設定も頭に浮かんだんですが、アデルがそうやってセイリュウに使命を背負わせるかなあ、とも思ったので。アデルは何も頼んだりしてないけれど、セイリュウは勝手にアデルに寄り添っていそうだな、そっちの方が萌えだなあというのもありますw アデル人徳天元突破。
モナブスでも言及されていたけれど、ゼノブレは案外いろいろ描写してない(確定させてない→プレイヤーの想像に委ねる)事も多いような気がして、その流れはゼノブレ2でもありそうで。結局アデルの金の瞳とレックスのそれとの一致とかメツに指摘されてたけど、少なくとも本編中では解答らしきもの出てなかったでしょ。レックスが流れ着いた時のムービーを何度も見直してみたんですが、あれ、父親(推定)、どうみても首がマミられてて、いやひどいことするね絵コンテ(私は大好物ですが)となりましたw なので、アデルとそのご家族がいろいろあって時空破断に巻き込まれて500年後にぽいーっ説も私の中ではあったんですが、最期のシン戦での「でも、その思いや記憶は別の誰かが必ず受け継いでくれる」という言葉に、血のつながりとかじゃなくても誰かの真摯な想いは継承されるというメッセージが出てるんじゃないか、という感想を相当前にツイで見かけてまして、そっちの解釈も良き良きだなあと言うのがあり、今回はそっちに寄らせていただいております。こういう感想の響き合いから生まれる物語もあったりするから、本当はもう少し早くクリアしたかったなーという後悔はあったりなかったり。まぁ仕方ないんですけどね。物語をしゃぶり尽くせてる満足感もまたありますんで。
とはいえ↓このおばあちゃんの台詞、超気になるんだけど(悶々)


閑話休題。
本編でイヤサキ村に帰った時に崖でサルベージ練習している子がいるでしょ。あの描写、結構好きなんだよなあ。レックスがサルベージャーとしてそこそこ稼いでいる姿を見て、そしてあのエンディングでのアルストの変化を経た後でもなお、村の子もサルベージャーやそれに付随する稼業で生きる道を探すようになっていたらいいなぁとは思います。今回の事が終わって、レックスが引退して、そしたらその子達の誰かがじっちゃん舟を受け継いで……なんて展開もあったのかなあ……なんて、あらみらでレックスが来た今となってはまた未来描写も変更ありなんでしょうけどね(3は2章頭で中断/あらみら当然手つかず)

というわけで、ゼノが楽しくてゼノが終わらない症候群、もう5年近くは続きそうな予感があります。ていうか生活スタイルが今のままである以上、ゼノクロも3も5年で終わる気がしないわー。完全に私のライフワークになっちゃうわー(既になってるやろがい)。せめてゼノブレ2(イーラ)はノポマゲドン(=ゼノクロオンライン接続終了)したら戻りますです、というのを来年の抱負といたしまして、本日はこれお開きに。

……ゼノクロ移植or完全新作来たらどうするんでしょうね(私はいつ休むんでしょうねの顔)

検索用タグ:ゼノブレイド2  Xenoblade2 Azusaのアルスト放浪記

拍手

PR

コメント

コメントを書く