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翠輪堂-日記-

文月あずさ@JADERINGSもしくはAzusa-Fの趣味的日常記録/不定期更新

#Xenoblade2_fes20 に寄せて風コモンちゃんSS書きました。
ゼノブレ2三週年おめでとりー!
とか言いつつ、ゼノブレ2クリア迄まだ全然な私です。
だってDE出ちゃうんだもん!ノポンジャー可愛すぎなんじゃもん!
まぁ無印クリアしたばっかりだし(2019年10月)いいよねっ!と先につなみらやってしまったせいで、今年はぜんぜん進んでません!
早く亀ちゃん仲間にしたいよう…。同行はしてくれるようになったんですがのう…。
3日どころじゃなく待たせてしまった放蕩王子様
(2月末を最後にコロナ休校でプレイ出来なくなってしもたんじゃ。3ヶ月と思ってたら3倍の9ヶ月待ちをさせてしもたんじゃよ~。ノポンジャーもふもふ過ぎるのがいかんのじゃよー(モフモフノポモフ))

そんな泣き言している半端ものなんですが、それでもゼノブレ2のSS書いてしまいました。
メインキャラの話はこれからちゃんと読み込まないと書けないだろうなぁと思いつつ、それでも沸いてきてしまった、我が家の無銘コア風コモンちゃんとセリオスティーの話です。
うちの風1コモンのコノハナちゃん

サクヤコノハナ

「んもー! ここでくるりと一回しするの! でないと結べなくなっちゃう!」
 インヴィディアの片隅にある村、茶葉の香りに満ちた小さな作業場から幼い少女の甲高い声が響き渡った。
「こらこら。教えられる相手が来たからって偉そうに先輩風吹かせるんじゃないよ」
 向こうからおかみさんが笑いながら少女をたしなめる。十にもならぬかという幼い少女に叱られていたのは、彼女よりも頭三つ分は背が高そうな人――否、ブレイドだ。人ならざる硬質の肌を持つ彼女は申し訳なさそうに肩をすくめた。名をコノハナという。
 フレースヴェルク傭兵団に所属するブレイドである彼女は、自らのドライバーとは別行動を取り、特産であるセリオスティーの毬茶を作る仕事を任されていた。
 乾燥したセリオスアネモネの細い葉を丁寧に束ね、放射状の籠を作り、その中心につぼみを縫い付ける。つぼみが収まったら、葉の籠の上部を崩れないように綴じ込み、毬状にしてきっちりと縫い付けたら完成。
 アネモネは本来毒を持つ植物だ。茎から出る汁で手がかぶれる事もある。しかし、このインヴィディアで育つセリオスアネモネだけは毒が無く、またその独特の香気ゆえに乾燥させて茶葉とする習慣が生まれた。その深い香味と華やかさがインヴィディアの貴族趣味と相まって、茶葉を編み上げてこしらえる毬茶として広く流通するようになったのだという。作物の育ちが他国よりもあまり良くないインヴィディアの地では、非力な女性や子供の手で行える輸出工芸品として、貴重な外貨獲得手段の一つにもなっている。
 今年の花はつきが良く、そのため収獲と加工の人手が足りないとのことで傭兵団への応援要請が為された。天候によっては茶葉の乾燥に時間を取られるかも、と恐縮する先方に対し、風の力を持つ者なら工期が縮められるのではと仲介役が請け負い、風のブレイドであるコノハナが派遣される事となったのだ。
 夜香と風のブレイドの力で乾かした葉やつぼみの水分はほぼ抜けきり、摘み取った時とは比べものにならないくらいにくしゅくしゅとなっている。それらを束ね、別にとっておいた茎でまとめるのだが、最初のうちは上手く出来ずいくつか葉をバラバラにしてしまった。ばらけたものはそのまま量り売りに回すというが、毬茶にした方が実入りがいいのはわかるので、非常に申し訳ない気持ちになる。先ほどの少女くらいの子供達や足腰が弱って畑仕事を行えない老婆等が主な作り手の工芸茶だけに、なるべくよい仕事をして彼らの助けになりたい。送り出してくれた主も同じ思いだったはずだ。
「まぁ細かい作業ばかりだし、疲れたろ。一休みするかい」
 気がつくと傍らにおかみさんが来ていた。片手に茶器や甘菓子の載った盆を、もう片方の手にはしゅんしゅんと湯気を立てるやかんがある。ここらの村では人もブレイドも等しく仲間だという意識が強く、人の休憩時間にはブレイドもまたお相伴に与《あずか》る事が当たり前となっている。
「ありがとうございます」
 インヴィディア特有の口の広い茶器を受け取り、コノハナはおかみさんが湯を注ぐのを覗き込んだ。毬状の茶葉はお湯の中で本当のセリオスアネモネが花開くようにふわりと広がり茶器の中で香気を立てる。
 そういえばこのお茶、ホムラさんが好きだったな。
 自身のドライバーと最初に契約した先輩ブレイドの顔を思い浮かべる。フレースヴェルクの傭兵村に初めて訪った時、目の前で振る舞われた茶葉を覗き込んだ彼女の顔が忘れられない。――傍らで微笑む主《ドライバー》・レックスの顔もまた。
 二人の笑顔を微笑ましく思うのと同時に、ふと感じた胸の痛みを思い出す。
 もし自分が主《かれ》の――レックスの初めてのブレイドだったら。
 あの笑顔が向けられる先は、彼女では無く自分だったのかもしれない。
 そんな考えが去来して、コノハナは小さくかぶりを振った。

 「好き」という気持ちはどこから来るのだろう。
 呼びかけられるように誘われるように、現世《うつしよ》に顕現した自分が一番最初に見たのは、まぎれもなくレックスの顔だった。
 一目で思った。この人に寄り添い生きるのがさだめなのだと。

 ドライバーは幾人ものブレイドと結びつく事が可能だ。その中でも一番最初のブレイドと――自らをドライバーとして目覚めさせたブレイドを常に傍らに置いて旅をする者は多い。
 でもブレイドにとってドライバーは唯一無二の存在だ。自分を目覚めさせてくれたのはそのドライバーしかいないのだから。
 それ以前のドライバーなんて知らない。顕現した《うまれた》瞬間にこの主しかいなくなる。主《かれ》以外にこの気持ちを――好きだという感情を――持てる人なんて、いない。
 その笑顔を独占したいというこの感情が、「嫉妬」と呼ばれるのをコノハナは知っている。あけすけにそれを表す者もいるが、自分にはそれをしたいとは思えなかった。そんな事をしたら、あの優しい顔のドライバーはきっと困った顔をしてしまうから。
 茶器の中で開ききった花を見つめ、コノハナは小さく息をつく。
 と。窓硝子にしゃらしゃらと当たるものがあった。おかみさんが立ち上がる。
「こんな日に雨かい! 急いで取り込まないと!」
 インヴィディアの上部、噴気孔から結晶が舞ってきたらしい。せっかく干しておいた茶葉が台無しになってしまう。おかみさんの号令に飛び出していった子供達に続いて、コノハナも片付けに駆け出した。少しでもぬらさないようにと、自らの風の力で舞い散る噴気結晶を吹き飛ばしながら、茶葉を広げた露台を屋根の下に引っ込めていく。よたよたと二人がかりで露台を支える子供達を手伝い、全て濡れない場所に片付け終えると、結晶は外に植わっているサフロージュの葉を音を立てて叩くほどまでに激しくなっていた。
「ありがと! コノハナちゃんすごいね!」
 見ると少女がこちらを見上げて破顔していた。作業場で一番のおちびさんは顔を上気させながらニコニコとしている。
 不意にその笑顔が、主の笑顔と重なった。
――「頼んだよ、コノハナ」
 自分を送り出した時のあの顔。信頼を寄せてくれたあの瞳。
 それだけで胸がふんわりと暖かくなる。心の奥底で花が静かにつぼみを開く。
 見返りを求めぬ「好き」という気持ち。それは、こんな時に咲きほころんでくるのかもしれない。

 いつかは石に戻るさだめの自分。
 それでも、この気持ちは、この想いは大事にしたい。――コノハナは強く思った。
 優しく温かく包み込む、あの花のお茶のように。




恒例の後書きイイワケ~!

この話、描きたいのは後半部に見えますが、実は違うんだなー。完全に前半のセリオスティーの捏造解説なんだなー。ゼノのこういう細かい作中小道具、ホント世界の有様にいろいろ想像が浮かんでめっちゃ楽しいです。コレペディアにいちいち書いてあるアイテムの説明がホント好きでねぇ。ゼノクロとか凝り過ぎでしょ!どんだけアイテム準備して、それぞれお話持ってるの!!という感じです。いやー大好物! かつてDQの『知られざる伝説』やグループSNEの『アイテムコレクション』の挿話にモエモエした青春が騒ごうってものです。
ブレ2ではそういった小話がとんと減ってしまったのが残念ですが、じゃあ好き勝手しちゃうよ? と虎視眈々狙っておりましたところ、メリアちゃんのつなみら装備がアネモネスタイルだという所から、今回のお話が沸いてきました。正直ゼノブレ2まだ終わってないから……とは思ったものの、沸いてきてしまったものはしょうがない (開き直り)。三年も経てばメインストーリーのネタバレは多少なりとも目にしてるとはいえ、モブ会話とかからもっと他に世界観掘り下げてくると矛盾が生じそうで怖いのですが、少なくとも5章頭くらいで私が捉えているアルスト世界観を元に描いてあります。もう少し話が進んだら絶対見方が変わるでしょうね。まぁそれはそれで。
……3月コロナ休校でゲームプレイが2月末を最後に頓挫した上に、休校開けにはもうノポンジャーに心奪われて巨神肩に墜落したが故に、レックス君家の家庭訪問がまだの状態で浮かんできちゃったんだよう! ああもう可愛いなアネモネスタイル!

アネモネの花言葉、白は「希望」とメリアちゃん向きなのですが、ギリシア神話由来だと「儚い恋」とか「嫉妬」とか、ちょっと失恋風味。決してレックスの一番にはなれない風コアちゃんの話に、図らずもぴったりとなってしまいました。コモンちゃんから見てレアブレちゃん達はどう見えてるんだろう…なんてところも少し見たかったのもあります。なお文中のあけすけさんですが、我が家に一番最初に来てくれたガチャ生まれレアブレさんの事です。さーて誰でしょう?(ニヤニヤ)

書くに当たってアネモネいろいろ調べてたんですが、毒あるじゃん!お茶に出来ないじゃん!! と思ったので、勝手に設定が生えました。インヴィディアのアルスってすげー!(XYの時のサトシの声で) もしかしてこれを見越してスマブラのメリアちゃんはサモン・アース仕様なのか!?(※サクライさんの事だから間違いなく戦略的見地かと。毒ダメ30秒はホント強いわ)

それはさておき。
上記の毬茶の写真ですが、これ、その昔兵庫でゼノオンリー(ProjectSIGIL)が行われた時に、前日からゼノ仲間と現地入りして女子会お泊まりした際に、神戸は三宮の南京町で買ってホテルで一杯やった茉莉花毬茶でございます。セリオスティーのワタシ的イメージがこれ。ホムラ、こういう驚きのある可愛いもの好きそうだよね。
それと、うちの風コモンの名前が偶然「コノハナ」になったのもきっかけとしてデカいですね。実はパラメータ比較の為、というか、試しにやってみたらトレジャーセンサー持って出てきたんで「君に決めた!」とばかりにリセマラして生まれた子ではあるんですが、ちょっとステキな名前だったもので。こういう形で生かす事になるとは思ってもみなかったけれど、まぁゼノには「これは偶然では無く必然です」という言葉もあることですし、なんらか導かれて出てきたんでしょう、ええ。今は春べと咲くやこの花。なお、前述のギリシア神話というのは、没薬の木から生まれ、ペルセポネやアフロディーテといった数々の女神の心をずっきゅーんさせたんでアレスにブチ切られて殺されてしまったアドニスの事です。死んだ彼の血から咲いたのがアネモネの花、というお話。
……アドニス!? アドニス!!!!!  ソマブリがこんなところで絡むのマジか! とじったんばったんしたのはここだけの話。いやーさすがに偶然でしょーゼノはよく言霊を吸い寄せるよなーあははははー!(慣れっこ)
なお、Wikipediaさんのアドニスの項、読むとまたいろいろ沸いてきて、ゼノっ子さん(グノーシス派)はむふーとなるのでオススメです。一家に二台以上Switchがあってもおかしくない世の中になったら、モノリスの作るソマブリライクな、親子でやれる深めRPG出して欲しいなぁ。

それはそうと、後でツイにも新書ページメーカー使ってUPするつもりです。
…とこれを書いてる時点で画像の加工処理とか全然できてへんのですがね。間に合うかなー。
(このブログ自体は予約投稿でUPするつもりだからいいんだけど、ツイの方の予約投稿、ブラウザ版だと上手くいかない印象なのよね~)
間に合ったら後で↓に自ツイの引用おいておきますな。

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