"Lゼノサーガ語り"カテゴリーの記事一覧
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EP2の18周年おめでとりは事情によりまともに参加出来なかったので、こっちは頑張っておめでとりしますです。がおー(吠えてどうする)
さて、今回は勝手考察したものをSSという形に仕上げてしまいました。
ズバリ実はハカセ&スコットクンがスキエンティア関係者だとしたら。
考察ずるずる書くだけは書いてみたんですけど、どうせ幻覚なんだから二次創作しちゃえばいいんじゃない?的ウドゥさんからのナゾ電波が降ってきて、そしたらあれよあれよた~のしー!
ああそうですアホの子ですよ。楽しいんですよ。
アウターファイル&ゼノフリAVG履修者じゃないと何の話かサッパリ妖精のおいてけぼり、私が書いてて楽しいだけの妄想SSです。(ミッシングイヤーは無くてもだいじょぶかも)
実のところ原作に対する見直しがかなりズサンなので、もしかしたらオカシイ所が出てくるかもしれませんが、宇宙創成の広い心持ちで楽しんでいただければ幸いです。多分【うるおいさらさらヘアー】を作るくらいの時間(336h)があればDS含め全作再度通しプレイ&鑑賞はたやすいとは思うんですが、情報整理考えると「2週間お試し下さい」程度じゃ収まらないし(ていうか断続とはいえ頭の片隅に置きつつ暮らしてもう20年ですぜダンナ)、ちゃんと解釈するにはゼノクロとゼノブレ2と、そして次に積まれるゼノブレ3も目を通したいし。
ゼノが積まれすぎてて大渋滞ってホントすごい。EP3終わった後では想像も出来なかったから。
毎回ですが二次創作回れ右な方の為にクッション置いておきます。
考察ずるずるは後書きにて。
※なおクッション画像は(当然ながら)中古です。ここ読む人はもう持ってる人ばっかだからいらんだろうけど、ショップは可能な限り揃えてみた。クミンシード
スコットクンはハカセの助手である。
今日もハカセの言いつけに従い、ハカセと共に作成している巨大ロボットの為の部品を発注しにわざわざ第二ミルチアくんだりまで出掛け、一通りの用事を済ませたところで、いきつけのカフェでランチとしゃれ込んだ。
このカフェ、亭主のこだわりカレーの評判が高く、昼時はカフェというよりもカレースタンドに近い。
喧騒と方々から漂ってくる香辛料の香りをかき分けて、スコットクンは窓際の端のボックス席に陣取る。ココナッツミルクの甘みが効いたカレーを頬張っていると、ふと、テーブルの上に影が落ちた。
「相席、よろしいかしら」
見上げると背の高い女性が立っていた。金色の髪をひっつめにし、丸縁の遮光眼鏡をかけている。眼鏡越しからでも感じる鋭い眼光。
答える代わりにスコットクンはさらりと指文字を走らせた。
scientia est potentina《知識は力なり》.
それを見て、彼女はさも当然であるかのように向かいの席へと自分のトレイを置いて席についた。溶岩のように赤くどろりとしたカレーが香る。随分と辛そうだな、そんな事を思いながらスコットクンは口を開いた。慇懃に。
「お久しぶりです。ドクトゥス」
「えーと、今は誰だったかしら。エージェント……スコット?」
「スコットクンですよ。『クン』まで名前です」
それまで鉄面皮のようだった彼女がきょとんと目を見開いた。スコットクンが嗤う。
「今日はいい日だな。この稼業は長いですが、貴女の事を二つも知ることが出来るなんて」
「二つ?」
「貴女は辛口カレーが好みということ、貴女もそんな顔をすることがあるんだってこと」
ドクトゥスと呼ばれた女性はやや憮然とした表情を見せたが、軽く息を吐くと常の自分に戻すかのように笑みを浮かべる。まるで猛禽の笑み。
「ご挨拶ね。それより首尾はいかが?」
「なんとかヴェクター第一の人間に知己を得ることは出来ました。ファウンデーション船籍の連中とも今じゃ呑み仲間ですよ」
ぐい飲みよろしくスプーンを持ち上げて見せるスコットクン。カレーを口に運びながらドクトゥスは尋ねる。
「それどころかヴェクターの最高機密もいじったって聞いたけど?」
「KP-Xですか? 触らせて貰ったのは外殻だけですが、ありゃあホントに面白いですね。まともにいじろうとしたらお目付役共々身持ちが固くて難儀しそうですが。まぁ今度ワームの一つでも入れて試してみましょうかね」
「返り討ちに遭わないようにね」
端から見れば相席の男女が世間話をしているだけ。でも、きちんと聞く者がいたら、会話の端々に混じる単語にぎょっとしただろう。だがこの店はそういう無粋な店ではない。それを知った上でスコットクンはこの場所を選んでいる。
「何よりハカセが乗り気なんですよ。あの人、『人型ロボットに興味はない』なんて言ってましたが、あれだけの自立個体、さすがに気になるようでして。自分のロボの操作系プログラムを熱心に組み直してましたよ」
「開発が急に進んだと思ったらそういうこと。相当の刺激になったようね。出資している甲斐があるというもの」
「ええおかげさまで。――このご時世、ヴェクターともハイアムズとも異なる兵器システムを作ろうなんて考える人間はいない。稀有な存在がよくも見つかったものです」
スコットクンは感嘆したように言うとカレーを一口飲み込み続けた。
「あの方は純粋ですよ。それゆえに御しやすい。夢にひた走らせられているうちは僕らを裏切ることはないですよ」
基幹システムをヴェクター製に依存すれば幾らでも効率良く機械を御せる。だが彼らは――ドクトゥスやスコットクンが所属する組織の人間は――それを望まない。そこに依存したくないという矜持が彼らの組織を貫いている。
そういった点で、あのハカセの知識と実力、そして他には目もくれぬ情熱は願ってもないものだった。採算度外視ではあるが、彼らの理想に対し、着実に成果を上げている。
「そうね、そうあって欲しいものね」
口角泡飛ばす彼を見ながらドクトゥスはカレーを平らげていったが、ふとグラスに口をつけながら呟いた。
「心配なのよ、貴方があの博士の妄想に取り込まれてるんじゃないかって。潜り込んだにしては随分体よく使われているようだし」
今度はスコットクンがきょとんとする番だった。「うーむ……」と行儀悪くスプーンをくわえて虚空をしばらく見つめていたが、ぱっと口を離すと、おどけて舌を出す。
「まぁオトコノコにとってロマンは大好物ですからね。今回の事は仕事抜きにしてもいい巡り合わせだったと思ってます。せいぜい道化は続けますよ」
柔らかな物腰と人好きする顔や仕草、その裏に眠っているのが、ロボット技術への羨望と探求だけではないと誰が思うだろうか。まるで――そう、まるで、カレーの中に仕込まれ、確かにカレーを構成しているというのに、決してそれそのものを見せてくれないスパイスのよう。
そんなものなのかもね、とドクトゥスは思う。市井に溶け込みながら、互いに誰が誰ともわからずに、でも、スキエンティアという確かな理想で繋がっている自分達は。
「頼んだわよ」
最後の一口を放り込んで、彼女は思案げに首を傾けた。
「次はもう少し辛口も試してみようかしら」
鯨の絵が描かれたグラスの中で、残った氷がカランと音を立てた。
後書きイイワケ・この妄想の端緒~。
ハカセ&スコットクンが「ヴェクターの手に寄らないシオンによるKOS-MOS」にいっちょ噛みする展開になったのは、本来上記のKOS-MOS最終形態作りに関与するのはスキエンティアだったんじゃないかな、とふと思ってみたりしたんですね。
ただ、(諸事情もろもろで本来構想を切り詰めてEP3までに収める都合上)スキエンティアとの関わり描写はミッシングイヤー及びドクトゥスに留まらざるを得なくなり、関与の薄くなったスキエンティア関係者の代わりを彼らドタバタコンビが担う事になったんじゃなかろうか、と思いまして。
二人がエルザ内に強引間借りするゼノフリ→EP2展開は、後にスキエンティア関係者がエルザに乗り込んできてKOS-MOS制作に携わる、そのための環境作りを見越して行われていたのかも、とすら思ったんですわ。設備はあるぞ!(どーん) ついでにアシェルも魔改造出来ちゃうぞ(どどーん!)てね。
(アシェルは元々ヒュウガのアニマの器ですからー、とでも言わんばかりに、敢えてアレに取り込ませないように仕組まれ、そして最後に兄さんがぶん回し……というのは、元々考えていたのかもしれないし、ある意味ファンサの要素も強かったんじゃ無いかと思っています。兄さんが踵を返した時「ハカセ&スコットクンのあれあぁぁぁぁぁぁあぁあ~!」ってなっちゃったもん。閑話休題)
そこまで考えてふと。
いや、実はハカセ、ホントはスキエンティア関係者そのものだったりとかした可能性もある?
あるんじゃない???
スキエンティアから資金援助得て、ヴェクターにもハイアムズにも依拠しない機動兵器開発を担わされていた、とか。……ハカセ自身は好きなロボ研究が出来てヒャホーイで、政治的なゴチャゴチャには関わらない主義だったりとかした可能性はあるけど……。
あの風貌・あのトンチキ感全開のギャグキャラに、わざわざ青野武氏という大物声優さんをあてがっていて、EP1(アウターファイル)から出している所に、ハカセは実のところ「(スキエンティア絡みかどうかはさておいても)元々ちゃんと最重要キャラだった」説が、私の中でムクムクもたげてきてしまったのです。だってぇ、どー頑張ってもBTTFのドクじゃーん。洋画吹き替えの力を知悉していて、その後の作品のキャスティングにも端々にこだわりを見せてきてるソーカントク&スタッフの皆さんならあり得るんじゃなかろか。後にミラリアンとかやっているんだからBTTF好きなんでしょ白状おし!(笑)
そんなこんな思っていた所に、ウドゥさん(仮)が「YOU!SS書いちゃいなよ」と毒電波下ろしてきまして。「ゼノブレ3発売日決まってるのにそんな時間無いよ無理無理無理無理!」 と思っていたんですが、カフェの傍らで談笑するスコットクンとドクトゥスという謎の組み合わせが降ってきちゃったんでもう止まらない(爆)。
家庭の事情によりSwitch立ち上げ出来ない日々が突然発生してしまった事もあり、その隙間でちゃちゃちゃーと書いてしまいました。
……まだあったんだ私にこんな起爆力、と思いながら、せっかくアウター&ゼノフリ絡みの内容というか時系列だからEp2発売日おめでとりに使おうかなと思っていたんですが。
ここでもまた自由の中断。
SS書き散らすのはスマホでも出来るけど、推敲と成形、ブログやツイへの投稿準備がPCに慣れた身では全く出来ず、泣く泣くEP3誕生日にずらしたというわけです。
今回特に新書ページメーカーでやれるルビ周りと、このブログに載せたルビ周りの扱い、相当にいじっていますので、Twitterの方を見たらまた印象が大分変わるかと思います。新書ページメーカーの方が本来の私らしい感じかもしれない。やっぱりpixivは登録すべきかなあ(まだしてない)
ちなみに、当初二人が出会うのはデュランダル内か適当なドッグコロニーのカフェだったんですが、会話に比して地の文が締まらない→いっそモビィディックカフェで落ち合わせるか→モビィディックならカレーだろ→タイトルと最後のオチ決定。
いやぁ良く動いてくれました。カレーは燃料です。(シュニンカレーもぐもぐ)
なお、カレーのスパイスの中でも、クミンシードかコリアンダーかは最後まで悩んだんですが、コリアンダーって要するにパクチーなわけで。
DSに向かって「ぱくちーぱくちー」騒いで、某東北大学未来科学技術共同研究センター教授をいぢめた過去が頭をよぎり、申し訳無さからクミンシードに決まりました。
初代クックルンのクミンちゃん大好きだからそちらも悩んだんですけどね。
クミンシードはじっくり炒めるといい香りですよ~。スパイス沼ですよ~。
なお、5文字以上のスパイスにしたかったけれども、ガラムマサラは公式アンソロでもタイトルに使われていた方がいたのでやめときました。書きながら頭の中でDASHカレーの曲が流れていたのはヒミツだっ!
で、オチまで書き上げてから知ったんですけど。
クミンシードって、中世ヨーロッパでは「恋人が浮気しないようにライスシャワーに混ぜたり持ち物に忍ばせたりする」という使われ方をしていたとエスビー食品のサイトに書いてあったんですねー。
スパイもの(?)風の今回の話に妙に符合してしまい、変な笑いがこみあげてきました。
ゼノってばそんなとこまで言霊引き寄せるんじゃありませんっ!
いやー、やっぱりゼノ二次楽しいよ。うん。
今後も、もっと物語読み込み直して楽しみたい。
おまけ:
実のところ、SSの技法としては御法度な手法を一つ練り込んでます。「視点の揺らぎ」です。あんまり良くないんですよね(文芸部だと読み合わせでダメ出しされるやつ)。自覚してます。直そうかと思ったけど私の心のカメラがその位置だったのと、何か作りたい気持ちを優先させちゃいました。勢いだから許してっ!PR -
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これ、もしかして、現在公式サントラも無いし出る予定も無ければJASRAC登録も定かでないゼノサEP2のsupersweep楽曲とか「狙われる」のでは?それとも既にある?
IGN JAPAN Updated 2022年4月10日22:11 Auther by Hally
梶浦さんが著作権保持していて、CDも出してる一部のサントラはともかく、『ハカセのロボットアカデミー(勝手命名)』とか、どうなるのかしら?
好きで、昔ガラケーの着メロ自作していた身としては非常に気になります。
(当時は自宅電話も着メロ作れたんで、そっちは逆裁の導入パートの曲にしてました(懐))
EP2の未収録サントラ、今の自分だったら配信でも買っちゃうんだろうなぁ。
作っていた人に直接応援する機会があるならしたい。お財布の続く限りだけど。
そして、後から気付いたけど、光田さんも取り上げていたね、この話題(4/12付)。
そして4/9の日記のお宝に心奪われてみる。
ゼノサEp1のフルスコアもこうやって封印されてるのかな? -
ゼノサーガは、EP2までは単騎で楽譜集出てるんだけど、EP3は出てないんだよね~。
それを考えると、(2013年8月という発行年を鑑みるに、おそらく「梶浦さん名義の曲!」という点でピックアップされたのだろうけれど)貴重なEP3楽曲の正規販売楽譜ですよ、コレ。
(この手のオムニバス的な楽譜集の場合、権利関係とかどうなってるのか少し気になるところではあるのですが、そもそもがJASRAC管轄の楽曲だし正規の出版社通してるんだから、それを考えるのは購入者じゃねぇ出版社じゃわい、と開き直る)
超ラクシリーズは音のルビが振ってあるので、ある程度の経験者的には見づらいことこの上ないのですが、それでもありがたいと伏し拝みながら買ってしまいました。島村楽器楽譜館楽天市場店さんありがとう!
ゲーム系楽曲集としては、前にゼノブレ2の『Counterattack』とゼノクロの『Uncontrollable』の為だけに買った【[楽譜 スコア] ピアノソロ アニメ&ゲームソング大全集 [改訂2版] 中級】と多少収録楽曲が被ってますが(Dawn of MANAとか)、気にしない方向で。
しかし、NDL検索でこの楽譜集を偶然見つけた時には思わず悲鳴出ましたね。
楽譜あったんかーい!って。
梶浦さん、ゼノサの後で、朝ドラ(花子とアン)やヒストリアBGMで注目度も上がりつつあるところに、鬼滅で完全に大ブレイクした為、ぷりんと楽譜とかで作曲者名検索掛けても鬼滅曲ばっかり出てくるようになって検索しづらくなっていたので、正直PDF販売とかこの手の後発の楽譜集は検索すら諦めておりました。すごいやNDL-OPAC。
なお、相変わらず家族には呆れられてましたね~(テヘペロ)
とりあえずポニョとピクミン愛のうたを耳コピじゃなくても弾けるようになるから許して。 -
RPGとか、自分が好む物語は、何らかで【戦い】をテーマにしているものがとても多くて。
そういった【戦い】をモチーフとしたフィクションを送り出してくれて、今まで楽しませてもらってきた多くの書き手さん/描き手さんが、今回の事変に対してすごく苦悩しているのを、この数日だけで何度も拝見いたしました。
あんなものを描いていて良かったのか、と。
自分達は想像力が足りていなかったのでは無いか、と。
でも。
現実にはあり得なかった【戦い】を想像し、描く多くの作品があったから、私の心は守られている――この数日、そう強く思います。
多くの作品が描く悲劇を前に、心構えを教えてもらったから。
想像力を引き出してもらったから。
あんな事は在ってはならないと、改めて認識することが出来ているから。
悲劇はフィクションの中で十分で。
悲劇の先には光が待っていると、止まない雨は無いのだと、非道は在ってはならぬのだと、教えてくれた多くの作品のおかげで、私は、テレビの向こうに見えるあの光景に対して、はっきりNOを突きつける事が出来るのだと思っています。
この先、戦争をモチーフにした多くの作品が、その言葉尻や振る舞いの一部を切り取られて非難に晒されるのは想像に難くありません。
生み出される事すら躊躇される、そんな日も来るのでしょう。
でも、それらのフィクションが私達から引き出してくれる想像力、それが、きっと世界を、人を守る力を呼び起こしてくれると思うと、私は、決してその歩みを止めないでと強く願うのです。
悲劇を起こすべきでないと、悲劇に抗するにはどうすべきかと、教えてくれる、それらが喪われる事には耐えられない。
描くことを諦めないで。
描くことを止めようとしないで。
描いた人々を傷つけないで。
私とは違う視点を持つ人達が描いてくれる想像力の種を、どうか摘み取らないで。
考え続ける力をきっかけを、これからも世界に広げていって。
そう、切に願います。
拙く幼かった私の想像力に風を与えてくれた描き手が、新たな物語を紡ぎ始めて20年の、その夜に。
(過去に書いた自分の何気ない日記を思い出して。どちらも直接は全然関係なくて、あくまで私が勝手に想像した事なのだけれども、ふと、自分の中で糸を結んだので) -
EP3、15周年おめでとりです!
もう今度は間違えないぞこんちくしょう! (←EP2の17周年を大ポカしたのまだ引きずってる)
ていうか、作品への思い入れこじらせすぎてるこの十数年と、ゼノブレ3作(+つなみら)も出まくって「ゼノが忙しくてゼノが出来ないじゃないか!なんてことしてくれるんですか!!」という幸せな日々とが徐々に乖離してるのを感じます。引きずる必要はあるのかと問うと、そんな事誰も望んでないとは思うのですが、やっぱり引きずってるのかなあ自分。
サーガはホント、断ち切られた枝葉の先が見えてしまうように感じてしまう作品であるがゆえに、やっぱりこじらせ続けるんでしょうね、自分。多分そんなもの幻覚なんでしょうけど。出たそのままをきちんと愛でればいいんでしょうけど。
でも、張られた伏線に想いを馳せた日々が胸に痛いから、多分自分は引きずり続けるんでしょう。執念深いですがご寛恕をば。
そんなこんなで今回も辛口です。カレーで言うとジャワカレーの辛口くらい(具体的)。
ジャワカレー好きなんだけど、子どもが辛くて嫌がるので使えません(ショボン(´・ω・`))
* * *
EP3シオンに私が納得してないのは、EP1のグノーシス襲撃時にあんなにあっさりと自分の生を見限っていたシオンが、周りに当たり散らしながらやたらに死を恐れていた事なのよね。
まぁああやって生にしがみつかないと話が進まないのでしょうがないといえばしょうがないのだけれど、EP1からの不連続性に、私はなんか納得がいかなかった。
おそらくミルチアのあの一件で、シオンは自分が生き延びている事を納得しないまでに心が壊れてしまったんじゃないかと思っている。
親しかったフェブが惨たらしい死を迎え、父も母も理不尽な死を迎えた。それに守られるに値しない存在なんじゃないかという疑念を背負いながら成人を迎えたシオン。その中で、自分の探求心と安らぎを共に与えてくれる存在と言えるであろうケビンと出会えたのも束の間、彼をまた理不尽の中に喪うことになってしまった。──その結実があの「そうか、私、死ぬのね」に込められていると思っていたのね。
在るべきでない今の場所から解き放たれる ──彼女にとっての「死」はそういうものだったのではないかと思っている。
ゆえにアンドリューの消滅に何故か「嬉しい」という感情を得てしまう。自身でそれを驚いてもいるけれど、彼女にとっては現世からの解放は、心の深奥より望んでいる部分があったんじゃないだろうか。それを見抜いたアンドリューから「お前もいつかは虚無の浜辺《ここ》に来る」と予言されるほどに。
そう読んでしまうと、やはりEP3序盤からの彼女の振る舞いには納得がいかないところはあるのよねぇ。
ミッシングイヤーでの出来事は、父の所業を探求せねばならないという使命感から、人生の方向を変える決断をするだけの大きなものだったのかもしれないけれど、ただあそこで語られている内容だけでは、あくまで探求を促すだけで、彼女を生にしがみつかせるだけの根幹にはなりにくいように思う。あれだけ執着していたKOS-MOSと離れる事になってもやり遂げたいという点では随分と大きい決断だけど、それと彼女の生の哲学とは結びつかないように感じる。「知って、どうするの?」という問いをねじ伏せながら進む彼女は、知ることにしがみつくだけ。その狭隘は、問いが果たされた先までは見えていない。生きる理由としてではなく、何かに邁進するだけの、ニーチェ的に言えば「獅子」の状態なのだろう。そこと生への執着とが、話の中でどうにも結びつくようには、見えない。
アベルの方舟でケビンの手を取ったのは、彼の言うことを聞けば生き延びられると言うより、自分の在るべき場所を得たいという渇望だけだったようにも感じられる。「利用されようと構わなかった」という言葉が、やはり、シオン自体の「生きたい」とは離れているように私は感じたのよね。
私個人のニーチェ入門はこの本でした。この本の影響が多分にあるかとは思いますので、とりあえずご紹介。KOBO版もあるよ。
(それにしても表紙変わってたのねー。私持ってるのクリーム色してた旧版だわ~(in押入/掘り出し損ねた))
もしかしたら。
「生はしがみつくもの」という前提でEP3が進んでいく事に、私は違和感を覚えているのではないだろうか。
シオンはもっと「死」に親しい存在と見なしているがゆえに。
「死にたくない」そう考えるのは人として「普通」だ。
でも彼女がその「普通」でないとしたら?
──その前提をEP1の物語の端々で感じてしまったからこその違和感なのかもしれない。
だから物語の終着点である「力への意志」という言葉には、死を是認していたシオンを、生を肯定する生へと転換させる物語だったのではないかと、思ったりもするのだ。
そして、その「生への肯定」は、「ゼノ」が教えてくれた強く輝くメッセージ 。
私自身を魅入らせた物語の根幹なのではないかな、と。
神の兵器とされる事を拒んで戦ったフェイ達の物語。
全ては自らの意に運命められたと言い放つ神を斬るシュルク達の物語。
人智を超えた力に怯えるよりも今を守るために「つながる未来」。
全て「今在る自分たちへの肯定」を力に最後の敵に立ち向かい、勝利する物語。
ゼノクロとゼノブレ2はまだクリアしてないので何とも言えんのですが、少なくとも2はこの路線を継承してそうだというのがTLのネタバレから薄々伝わってくるので、実際自分で見るその瞬間が楽しみで仕方ないですわ。とりあえず今7章ど真ん中。(夏休みに入るんで二ヶ月ゲーム出来ないから泣いてる)
「Story is never ending...」となるらしいXだって、それでも最後はストーリーPVのリンちゃんの台詞「私達は宇宙から消え去った方がいいのかもしれない……」を覆す物語になるんじゃないかなとアタリをつけてはいるけれど。こちらも5章終わったばっかりです(毎回押入から出して繋ぎ直しての平行プレイですからのう。ああでも空がきれいだからどこまでも駆けていきたくなるんだよ…(訳:寄り道しまくり))。
閑話休題。
そんな「生への肯定」に至るまでを、きっともっとゆっくりじっくり描いていくはずだったんだろうなぁと思うと、つくづくEP3、そしてゼノサーガ全体には同情を禁じ得ません。やっぱり駆け足過ぎて、前田さん叫びっぱなしがとにかく可哀想でなぁ。ムービーモード連続再生してると、シオンずっと泣き叫んでて可哀想なんですわ、ホント。
前回のオルグイアの発見(?)から、やっぱりいろいろ気になって、EP3のムービーモードをはしょって見直したりもしたんですが、まだまだ読み解けてない事が多すぎるし、「え、その独白、どこに繋がるの?」とかなりがちだし。
そもそもケビンもヴィルヘルムも話題そらしが上手いんじゃー。おかげさまで何度も見返さないとわからないんじゃー! 「二人のアベル」ってなんじゃー!
EP3は、初プレイ当時はとにかく駆け抜けてしまったのと、駆け抜けた後、虚脱に近い状態になってしまったのもあって、やっぱり自分、読めてない部分多いなぁと改めて感じましたです、ハイ。
やっぱり再プレイちゃんとしたいなぁ。
ゲームとして、普通に面白いんだよね。どのスタイルラインを選ぶか、とか、共闘優先か火力優先で装備を決めるか、とか。アベルの方舟のマップに見られるような、考えて動かないと上手く進めない、ただ踏破する以上の何かを見せてくるマップとか。物語を追う以外の楽しみがとにかく増えてるんだ、EP3は。
それゆえに、見逃している部分が多い。そう感じます。
クリアデータがあるから、ムービーだけで復習するのも出来なくはないけど、ゲームという時間の流れの中で、じっくり読んでいきたい。ムービーに組み込まれていない部分の、世界の景色の中から。
今はゼノが忙しくてゼノが出来ない状態ではあるけれど、今ある全ての物語を巡ったら、また改めてゼノサーガは読み解きたいという想いに変わりは無いですね。
ゼノサーガは永遠の宿題です。
……ああそうだよこれから夏休みだよ主婦ゲーム出来ないよノワァアアアアン。 ゚(゚´Д`゚)゚。